黄金の城

1986年にセタが開発、タイトーが販売したアーケード用アクションゲーム、『黄金の城』。日本国外版タイトルは『Gladiator』です。中世ファンタジー世界を舞台に、剣士ガリアノスが暗黒の支配者ギルダスからマイトレーヤ姫と財宝を救い出すため、黄金の城へ挑む物語を描きます。

操作はジョイスティック1本とボタン3個で行います。ジョイスティック左右で前進・後退、上下で盾ガード位置（上中下）を変更。ボタンは剣による上段、中段、下段攻撃に対応しており、攻防一体となったアクションが楽しめます。

本作の大きな特徴は、主人公ガリアノスや一部のボスに採用された独自のダメージシステムです。鎧を着用しているキャラクターは、攻撃を受けると該当部位（ヘッドギア、胸当て、脚甲）の鎧が剥がれます。鎧のない箇所に再び攻撃を受けるとミスとなります。失った鎧は、特定のアイテムである水晶玉を破壊することで復活可能です。

また、防御に欠かせない盾も重要な要素です。盾は防御で消耗し欠けますが、時折出現する金の盾を取得すると消耗しなくなります。盾を上下に素早く振ることでバリアを発生できますが、鎧が剥がれると難易度が上昇します。特に城の屋上からのビームは盾でのみ防御可能です。

ゲームは全4ステージ構成です。1～3面は、飛来物を防御・撃破しながら進む横スクロールパートと、各ステージに3体ずつ現れるボスとの一対一の剣劇パートを交互に進行します。最終面は横スクロールはなく、ラスボスであるギルダス（一度倒されると骸骨男ガイウスとして復活）との一騎討ちのみ。これを打ち倒すとエンディングですが、そのまま難易度が上がった2周目が始まります。

その他、ゲーム中には隠されたテクニックや要素も存在します。飛来する剣を撃ち落として4本連続で拾うと「レッドソード」状態になり、一定時間無敵かつ鎧が復活します。敵の武器を剣で攻撃し続けることで破壊し、敵の攻撃を無効化することも可能です。倒した敵が武器を落とす場合、それを拾って使用することもできます。特定の操作で高得点が得られたり、敵の攻撃を回避できるポイントなども用意されています。

本作は、当時としては珍しい、大きなキャラクター同士による1対1の剣劇バトルを主体としており、後に隆盛する対戦型格闘ゲームの先駆けとして高く評価されています。

特に話題となった要素の一つに、1面中ボスの女戦士イレーネの表現があります。彼女も鎧剥がれシステムが適用され、胸当てを剥がすとノーブラの状態が描かれていました（日本国内版・海外初期版）。海外後期版や一部移植版では、鎧の下にブラジャーを着用しているように修正されています。

日本国内での家庭用移植は長くありませんでしたが、海外向けレトロゲーム集『Taito Legends』（2005年）に収録。国内では玩具『Let's!TVプレイCLASSIC タイトーノスタルジア1』（2006年、前期版仕様、イレーネはノーブラ）で移植が実現し、アレンジ版『黄金の城AMAZONES』も同時収録。PS2『タイトーメモリーズII 上巻』（2007年、後期版仕様、イレーネはブラジャー着用）にも収録されました。比較的新しい移植としては、『イーグレットツー ミニ』用追加SDカード『アーケードメモリーズ Vol.1』（2022年、前期版仕様、イレーネはノーブラ）があります。

関連作品としては、1対1の剣劇や独特の操作方法に共通点が見られるタイトーのアーケードゲーム『グレートソードマン』（1984年）や、本作の続編でキャラクターが登場するアルュメの対戦格闘ゲーム『ブランディア』（1992年）などがあります。

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