鼻から牛乳

「鼻から牛乳」とは

「鼻から牛乳」（はなからぎゅうにゅう）は、嘉門タツオが手掛けた人気のコミックソングです。この楽曲は、男女の交際にまつわる様々なトラブルや日常の恥ずかしい失敗をユーモラスに描写しています。ギターの弾き語りで展開される曲調は、聴き手を引き込む要素となっており、特にバッハの楽曲「トッカータとフーガ ニ短調」のメロディが巧みに利用されている点が特徴です。このフレーズが歌われるたびに笑いを誘い、楽曲全体の構成を引き締めています。

制作の背景

この楽曲の制作について、2020年5月6日に嘉門自身がYouTubeで語った内容によれば、元は約30年前のラジオ番組での出来事に遡ります。西村知美が「チャラリー 鼻から牛乳」と発言したことに霊感を受けた嘉門は、このフレーズを元にした楽曲を作ることを決意しました。このフレーズは山口県宇部市から広島にかけての地域の子どもたちによって古くから使われていた言葉であることも、制作の参考となりました。

また、彼の小学生時代のエピソード、特に好きだった女の子が給食中に牛乳を飲んでいる最中に冗談を言って笑わせた思い出も、この楽曲の原点として語られています。

初リリースとシリーズ展開

初めて音源として世に出たのは1992年で、アルバム『天賦の才能』に収録されたのが始まりです。その後、同年4月21日にシングルとしてもリリースされ、多重交際を巡るトラブルをテーマにした歌詞が話題を呼びました。

1番の歌詞では、浮気をしている男性の視点から、交際相手を自宅に迎え入れたときのドキドキと緊張感が描かれています。思わず他の女性に電話をかけてしまう不運により、男性はどんどん追い詰められていきます。そして、その気まずさが高まるたびに、おなじみのフレーズ「チャラリー 鼻から牛乳」が挿入され、彼の煩悩と苦悩がユーモラスに表現されます。

また、別のカップルの視点を交えた2番では、今度は女性の苦しさが描かれ、男女ともに苦悩が共鳴するような内容になっています。

この楽曲は、初期のはずが小学校内でも人気を得ることとなり、時には「給食の時間にコーラスをして牛乳を噴き出した」という体験談を耳にすることもあったそうです。

リバイバルの成功

その後、「鼻から牛乳」は数多くのバージョンが製作され、主にキッズバージョンとして小学生からも楽しむことができるスタイルにアレンジされました。2011年には、テレビ東京系列の子ども向け番組『ピラメキーノ』にでは、当楽曲が挿入歌として起用され、その結果更なる人気を博しました。

2019年には、モバイルゲーム『パズル＆ドラゴンズ』のCMで「鼻から牛乳」がオマージュされ、特に小学生たちの間でこのフレーズが流行しましたが、元の曲の存在を知らない子どもたちも多かったと言います。

まとめ

嘉門タツオの「鼻から牛乳」は、ユーモア溢れる歌詞とキャッチーなメロディで、多くの人々に笑いを提供し続けています。リリースから30年以上経った今もなお、家庭や学校で親しまれ続け、時代を超えて人々の心に響く作品となっています。

もう一度検索