龍口寺

龍口寺（りゅうこうじ）

龍口寺は、神奈川県藤沢市片瀬に位置する日蓮宗の霊跡本山です。かつてこの地にあった龍口刑場は、鎌倉時代に多くの罪人が処刑された場所であり、日蓮宗の開祖である日蓮が処刑されそうになった「龍口法難」の舞台としても知られています。この法難を記念して、日蓮の弟子である日法によって創建されたのが龍口寺の始まりです。

歴史

日蓮は、幕府や諸宗の誤りを正そうと『立正安国論』を著し、北条時頼に上呈しました。しかし、幕府はこれを受け入れず、日蓮を国家反逆者として弾圧します。文永8年（1271年）9月12日、日蓮は龍ノ口刑場に連行され、処刑されそうになりました。しかし、処刑直前に江の島方面から光り物が現れ、太刀取り役の武士の目をくらませたため、刑の執行は中止されたと伝えられています。この出来事は「龍口法難」と呼ばれ、日蓮宗四大法難の一つとされています。

その後、日蓮の弟子である日法が、処刑の際に日蓮が座ったとされる「首敷皮」と自作の祖師像を安置するために敷皮堂を建立しました。これが龍口寺の始まりとされています。慶長6年（1601年）には、島村采女が寺領を寄進し、本格的な寺観が整えられました。

境内

龍口寺の境内には、以下のような見どころがあります。

大本堂： 天保3年（1832年）に建立された欅造りの建物で、開山の日法作と伝わる日蓮像が安置されています。
仏舎利塔： 昭和45年（1970年）に龍口法難700年を記念して建立された塔で、仏舎利が安置されています。
御霊窟： 日蓮が処刑までの間入れられていた土牢で、現在は日蓮の銅像が安置されています。
五重塔： 明治43年（1910年）に建立された欅造りの塔で、神奈川県唯一の本式木造五重塔です。
龍口刑場跡： 日蓮が処刑されそうになった場所であり、元の使者や北条時行なども処刑されたと伝えられています。

文化財

龍口寺には、藤沢市指定有形文化財である本堂、山門、五重塔のほか、国の登録有形文化財である妙見堂、大書院、鐘楼、手水舎など、多くの文化財があります。

龍口寺輪番八ヶ寺

龍口寺は、明治19年（1886年）まで専従の住職を置かず、龍口寺輪番八ヶ寺と呼ばれる寺院が輪番制で維持していました。これらの寺院は、それぞれが日蓮宗内の主要門流を代表しており、宗門全体で龍口寺を護持するという意義を有していました。

龍口山本蓮寺
龍口山常立寺
龍口山勧行寺
龍口山本成寺
龍口山妙典寺
龍口山本龍寺
龍口山法源寺
龍口山東漸寺

行事

龍口寺では、年間を通して様々な行事が行われています。

1月1日～3日：初詣・特別加持祈祷会
2月3日：節分追儺会
9月12日：龍口法難会

交通

龍口寺へは、以下の交通機関を利用できます。

湘南モノレール江の島線湘南江の島駅より徒歩3分
江ノ島電鉄線江ノ島駅より徒歩3分
* 小田急[[江ノ島線]]片瀬江ノ島駅より徒歩15分

龍口寺は、歴史と文化が息づく魅力的な寺院です。江の島を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

もう一度検索