'85年型家族あわせ

'85年型家族あわせ：時代を映す異色のホームドラマ

『'85年型家族あわせ』は、1985年10月11日から12月20日までTBS系列で放送されたテレビドラマです。全10話で、毎週金曜20:00 - 20:54に放送されました。

ストーリー

物語は、動物病院を営む望月家を中心に展開されます。一見普通の家族ですが、夫婦それぞれが不倫に溺れ、長女は学業に励む一方で、次女はスカウトをきっかけに芸能界へ足を踏み入れます。次女が先に初体験を済ませたことが、長女の嫉妬心をさらに煽ります。長女は父の助手である色男に接近し結婚するも、想像妊娠という事態に陥ります。一方、次女は恋人から芸能界引退を求められますが、引退を決意した途端、恋人はアメリカ留学を決めてしまうという、複雑な人間関係が描かれています。

概要

本作は、ノーマ・クラインの小説『マンハッタン式家族あわせ』を原作としており、従来の日本のホームドラマとは一線を画す、日本人離れした感覚の家族を描いています。視聴率は芳しくありませんでしたが、当時の日本においては珍しいタイプのドラマとして、一部で評価されました。

当初は『積木くずし』の続編が仙道敦子主演で制作される予定でしたが、モデルとなった穂積由香里の逮捕により制作中止となり、その代替として本作が制作されることになりました。仙道敦子、范文雀、伊東四朗らは、元々『積木くずし』にキャスティングされていた俳優陣でした。

伊東四朗は、従来の父親像とは異なり、妻や娘たちの考え方を理解しようと努める、洋風な父親を演じています。また、当時歌手活動をしていた仙道敦子の楽曲「HIROMI〜危険な予感」が、劇中で彼女が演じる望月法子のタレント活動の一環として使用されました。戸川京子は、姉である戸川純とは異なるタイプの、眼鏡をかけた堅物の女子高生役を演じ、東京JAPの立川利明が、彼女の恋人役として、ハンサムながらもとぼけた味わいのある獣医助手を演じています。

キャスト

望月法子：仙道敦子
望月鮎子：戸川京子
望月真知子：范文雀
村木まゆみ：高橋ひとみ
沢木明彦：山本陽一
川島亮太：立川利明
立花由貴：永光基乃
久保田幸子：遠藤康子
坂井優：平井力
小松のシノさん：千石規子
佐原健二：さとう宗幸
望月剛：伊東四朗

スタッフ

原作：ノーマ・クライン「マンハッタン式家族あわせ」（河出書房）
脚本：重森孝子、田中晶子
演出：清弘誠、田代冬彦、和田旭
プロデューサー：和田旭
* 主題歌：アイリーン・フォーリーン「スローなDANCEは踊れない」（ビクター）

『'85年型家族あわせ』は、従来のホームドラマの枠を超え、当時の社会や家族のあり方を問いかける作品として、今もなお記憶されています。

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