山本陽一

山本陽一さんは、1969年2月24日大阪府豊中市生まれの元俳優、歌手です。幼少期からスキーに親しみ、その高いスキルは特技となりました。若い頃は自衛隊への入隊を志望していた時期もあったと語られています。明治大学付属中野高等学校卒業後、1983年「アップルシティ第2回美少年コンテスト」で優勝という栄冠を手にし、芸能界入りを果たします。

同年、フジテレビ系列のドラマ『さよなら三角』でテレビドラマデビュー。サッカー部員の花丸役で鮮烈な印象を残しました。翌1984年には、映画『パンツの穴』でいきなり主役を射止め、映画デビューも飾ります。この作品は、共演した菊池桃子さんのデビュー作としても知られています。さらに同年3月には、同映画の主題歌「おもいっきりI Love You」で歌手デビューも果たすなど、順風満帆なスタートを切りました。

その後も、『夏・体験物語2』や『季節はずれの海岸物語』といった青春ドラマや、『必殺シリーズ』などの時代劇など、幅広いジャンルの作品に出演。精力的に活動を続けました。特に『夏・体験物語2』で共演した親友、古川聡さんの劇団「劇団・曲者」の公演に参加するなど、俳優仲間との交流も深めていました。 活動の場はVシネマにも及び、脇役としての出演も経験しました。

順調なキャリアを歩んでいた山本さんですが、2006年に結婚し、一人娘にも恵まれます。しかし、2009年8月、劇症型心筋炎で危篤状態に陥るという大きな転機を迎えます。心臓機能は以前の30%にまで低下し、芸能活動は完全に停止。生活のためにスーパーやレンタルビデオ店などでアルバイトを続けましたが、長くは続きませんでした。その後、離婚し、娘は元妻が引き取る形となりました。

大きな困難を乗り越えようとする山本さんの姿は、2014年9月5日放送のTBS系番組『爆報! THE フライデー』で取り上げられました。番組では、大病の後遺症と離婚、失業を経て、俳優業から引退し、大阪府箕面市の実家に戻り、家業である鉄鋼卸業を継いでいることを明かしました。このVTRを見た田原俊彦さんは、「せっかく芸能界でチャンスを頂いてパッと花開いたわけだから、僕は落ちようが決めた道は死ぬ気で…」と山本さんを激励し、「山本ビーム！」とエールを送ったエピソードも伝えられています。

山本陽一さんのフィルモグラフィーは多岐に渡ります。映画では『パンツの穴』シリーズを始め、『恐怖のヤッちゃん』『冬物語』『必殺!5 黄金の血』など数々の作品で主演を務め、存在感を示しました。その他にも多くの映画やVシネマに出演し、演技の幅を広げています。テレビドラマでは、『さよなら三角』、『月曜ドラマランド』、『必殺シリーズ』、『季節はずれの海岸物語』シリーズ、『水戸黄門』など、国民的な人気番組にも多数出演。時代劇から現代劇まで、幅広い役柄をこなしました。また、NHK『レッツゴーヤング』にもサンデーズとして出演するなど、歌手としても活躍しました。

1984年にリリースしたアルバム『YY』は、2014年にSONYから完全限定でCD化され、オリジナルアルバムの音源に加え、全シングルのAB面を収録した豪華な内容となっています。

数々の困難を経験しながらも、現在も実家で家業を営む山本陽一さん。華やかな芸能界での活躍から一転、新たな人生のステージで、穏やかな日々を送っていることでしょう。彼の波乱に満ちた人生は、多くの人の心に響く、感動的な物語です。

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