ΔT

ΔT（デルタティー）について

ΔTは、地球時(TT)と世界時(UT)の差を示す指標であり、時間の計測において非常に重要な役割を果たしています。2021年の時点でΔTは約69.4秒であり、過去にはさらに少ない値を記録していたこともあります。具体的には、1900年には-3秒、1950年には29秒となっており、おおむね値は上昇している傾向があります。

ΔTの計算方法

ΔTは、地球の自転速度とその変化によって影響を受けます。地球の自転周期Tは、速度νを用いて以下のように表されます。

T = 1/ν

この式から、周期の変化速度は微分して求められます。通常は、現在の周期からの比率である量αが用いられ、これは時間の経過に伴う周期の変化を示しています。この効果は、一般にミリ秒/日/世紀(ms/day/cy)という単位で表され、意味するところは、特定の時間内に自転周期がどれだけ変わったかということです。

世界時と地球時

世界時は、地球の自転に基づく時間の基準であり、短期的には安定していません。この不確定性は潮汐力の影響によるもので、数世紀にわたり地球の自転速度は徐々に減少しています。この変化率は約2.3ミリ秒/世紀です。また、最終氷期の後に氷床が溶けたことも自転速度に影響を与え、これがポスト・グレイシャル・リバウンドと呼ばれる現象につながっています。結果として、地球は自転が速く（実際には回転の減速が観察されます）が増加します。

地球の自転速度の変遷

地球の自転速度は、平均太陽日（LOD）の長さに影響を与える要因として、自然に変動しています。過去27世紀にわたる観察から、地球の回転速度は長期的には+1.7ミリ秒/世紀の増加を示しています。これは、長期間にわたる観測データに基づいた結果です。

過去のΔTの観測

ΔTの過去の値は、皆既日食や月の通過を利用した観測から導き出されています。これにより、紀元前500年からのデータが取得されています。これらの観測に基づいて、特に1680年から1866年の間は±11秒の範囲におさまることが確認され、1902年以前にはΔTは負の値をとりました。

1955年以前と以降のΔT

1955年以前は、日食や月の観測によるデータに依存していましたが、現在ではこれらの観測の精度が向上し、国際的な観測データが利用されています。地球の公転速度や、月が地球に与える影響についても新たな理論的理解が進んでいるため、現在のΔTの再計算が行われています。

このように、ΔTは時間の測定において重要な指標であり、その変化を理解することで、地球の自転や天体の動きに関して多くの情報を得ることができます。将来的にはさらに増加する見込みもあり、引き続き観測と調整が求められます。

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