Ω-7脂肪酸

ω-7脂肪酸とは

ω-7脂肪酸（オメガ7しぼうさん）は、不飽和[[脂肪酸]]の一種で、分子構造の特徴から分類されています。具体的には、脂肪酸の炭素鎖の端から7番目の炭素に不飽和結合（二重結合）を持つものを指します。

代表的なω-7脂肪酸

天然に存在する代表的なω-7脂肪酸として、以下の2つが挙げられます。

パルミトレイン酸: 保湿性を持つため、化粧品にも利用されています。
バクセン酸: ルーメン酸とともに、乳製品に多く含まれています。

これらの脂肪酸は、マカダミア油、シーバックソーン油、アボカドなどにも含まれています。

ω-7脂肪酸の健康効果

ω-7脂肪酸は、健康に良い影響を与える可能性が示唆されています。

コレステロール値の改善: HDLコレステロール（善玉コレステロール）を増やし、LDLコレステロール（悪玉コレステロール）を減らす効果が期待されています。
糖尿病予防への可能性:
膵臓β細胞の保護: パルミトレイン酸は、グルコースによるβ細胞のアポトーシス（細胞死）を抑制する可能性がin vitro試験で示されています。
インスリン感受性の向上: ω-7脂肪酸は、インスリンの働きを改善する可能性が示唆されています。ω-7脂肪酸を多く含む食事が、糖尿病の発症リスク低下と関連するという研究結果も存在します。

ω-7脂肪酸の代謝

体内で、炭素数16または18のω-7脂肪酸は、脂肪酸不飽和化酵素によって、炭素数18または20の高度不飽和[[脂肪酸]]に変換されます。この酵素は、ω-3、ω-6、ω-9脂肪酸にも作用します。そのため、個々の高度不飽和[[脂肪酸]]の比率は食事などの要因で組織によって異なりますが、高度不飽和[[脂肪酸]]全体の濃度は比較的安定に保たれます。個々の脂肪酸濃度は、細胞膜の維持に必要なリン[[脂質]]合成において、どの脂肪酸が利用されるかに影響を与えます。

ω-7脂肪酸の供給源

食品

マカダミアナッツオイル
シーバックソーンオイル
乳製品（牛乳、バター、チーズなど）
アボカド

ただし、乳製品中のω-7脂肪酸の含有量は、乳牛の飼料に大きく影響されます。牧草の摂取量が少ない場合、牛乳中のω-7脂肪酸含量が低下する傾向があります。

藻類からの抽出

マカダミアナッツなどの従来の供給源はコストが高いため、藻類などの新たな供給源が注目されています。藻類の培養条件を調整することで、脂質の生産量を増加させることができます。藻類から抽出されたオイルは、精製工程を経てω-7脂肪酸の原料となります。

関連項目

ω-3脂肪酸
ω-6脂肪酸
* ω-9脂肪酸

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