Ϙ

コッパ（ギリシア語: κόππα）は、古代ギリシア[[文字]]の一つです。大文字はϘまたはϞ、小文字はϙまたはϟで表されます。現代では、ギリシアの数字の90を表す記号としてのみ使用されています。

起源と歴史

コッパの起源は、フェニキア[[文字]]の𐤒（コーフ）に遡ります。この文字は子音/q/を表し、ギリシア[[文字]]のϘ, ϙの形をほぼそのまま受け継いでいます。フェニキア語では、子音/k/を表すカフとは区別されていましたが、ギリシア語では/q/の音は使われなくなりました。

古代ギリシア語では、母音によって子音字を使い分ける習慣があり、母音a、e、iの前ではΚ（カッパ）、奥舌母音o、uの前ではϘ（コッパ）が用いられていました。しかし、紀元前6世紀以降になると、子音字はΚに統一されました。イオニア式アルファベットが標準化されたことで、コッパは通常の文字としては使われなくなり、数字の90を表す記号としてのみ残ることになりました。この数字としてのコッパの形は、時代とともに様々な変化を遂げました。

興味深いことに、コッパは西方ギリシア[[文字]]では生き残り、エトルリア[[文字]]を経て、ラテン[[文字]]のQへと形を変えて伝えられました。また、初期のキリル[[文字]]でもコッパ(Ҁ, ҁ)が数字の90を表すために使用されていました。

符号位置

コッパの符号位置については以下の通りです。

まとめ

コッパは、古代ギリシア[[文字]]としての役割を終えた後も、数字や他の文字体系を通じてその痕跡を残しました。その歴史は、文字の進化と伝播を理解する上で重要な手がかりとなります。

参考資料

松本克己 著「ギリシア・ラテン・アルファベットの発展」、西田龍雄 編『世界の文字』大修館書店、1981年、73-106頁。
W. Sidney Allen (1987) [1968]. Vox Graeca (3rd ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521335558

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