Ӫ

ダイアレシス付きのӨ（大文字:Ӫ、小文字:ӫ）は、キリル[[文字]]の一つであり、主にアルタイ諸語に属するエヴェン語と、ウラル語族に属するハンティー語で使用されています。この文字は、通常のキリル[[文字]]の「О」（オー）にダイアレシス（ウムラウト）が付加された形で、特定の音を表すために用いられます。Unicodeでは、大文字のӪはU+04EA、小文字のӫはU+04EBとしてコード化されています。

呼称

この文字の呼称は、使用される言語によって異なります。

エヴェン語: 特に固有の呼称は確認されていません。
ハンティー語: 特に固有の呼称は確認されていません。
Unicode: Barred O with Diaresis

音素

ダイアレシス付きのӨ（Ӫ, ӫ）が表す音素は、言語によって異なります。

エヴェン語: エヴェン語では、この文字は円唇前舌め広めの狭母音 /ʏ/ を表します。この音は、ドイツ語の「ü」やフランス語の「u」に近い音です。
ハンティー語: ハンティー語では、円唇中舌半広母音 /ɞ/ を表します。この音は、日本語には存在しない音で、国際音声記号（IPA）を用いて記述されます。

特徴

ダイアレシス付きのӨは、キリル[[文字]]の中でも特殊な文字の一つです。この文字が使用される言語は、地理的にも言語学的にも異なるグループに属しており、それぞれの言語における音韻体系の多様性を示しています。エヴェン語はアルタイ諸語に属し、主にシベリア北東部で話されています。一方、ハンティー語はウラル語族に属し、西シベリアのオビ川流域周辺で話されています。このような地理的・言語的な隔たりがあるにも関わらず、同じ文字が異なる音素を表すために使用されているのは、非常に興味深い現象です。

ダイアレシス

ダイアレシスは、文字の上に付加される二つの点のことです。この記号は、発音の変化を示すために使用され、ウムラウト記号とも呼ばれます。キリル[[文字]]においては、母音字の音価を変化させる目的で用いられることがあります。ダイアレシス付きのӨは、通常の「О」とは異なる音を表すために、このダイアレシスが重要な役割を果たしています。

関連事項

この文字に関連する概念を以下に示します。

Ө: ダイアレシスのないӨ（キリル[[文字]]のオー）は、別の音を表す基本的な文字です。
キリル[[文字]]: キリル[[文字]]は、東ヨーロッパや中央アジアで使用される文字体系で、ロシア語やブルガリア語など、多くのスラブ語で使用されています。
ダイエレシス: ダイエレシスは、文字の上に付加される記号で、発音の変化を示す目的で使用されます。この記号は、ウムラウト記号とも呼ばれます。

ダイアレシス付きのӨは、特定の言語の音韻を正確に表記するために不可欠な文字であり、その使用は、各言語の歴史や文化、音韻体系を理解する上で重要な鍵となります。

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