「ル・マン」耐久グランドツーリングカー

ル・マン耐久グランドツーリングカー (LM-GTE) とは



ル・マン耐久グランドツーリングカー、通称LM-GTEとは、国際自動車連盟（FIA）が設定した耐久レース用の特別なグランドツーリングカーのカテゴリーです。2011年に発表されたこのカテゴリーは、GT2グループの規定を基にしたもので、国際スポーツ法典の附則J項においてグループEのGT型車両として位置付けられています。

概要



LM-GTEは耐久レースに特化した車両であり、基本的に2シーターまたは2×2シーターのクーペをベースとしています。規定を満たすために、大手自動車メーカーは連続して12か月間に200台以上、小規模メーカーは25台以上の市販モデルを生産することが求められます。しかし、特別な条件を満たす場合、事前にホモロゲーションを取得することも可能です。この車両のエンジンの排気量規制は、自然吸気エンジンが5500cc、ターボチャージャー付きが4000ccです。

LM-GTEと関連するGT3とのひとつの大きな違いは、トラクションコントロール（TCS）やABSなどの電子デバイスの使用が禁じられている点です。このことにより、ドライバーたちのアクセルやブレーキの技術が試されることになります。このルールが特にアマチュアドライバーの支持を集めています。

過去に、ル・マン・アソシエーション（ACO）はGT3とのカテゴリ統合を試みましたが、その話は頓挫しました。結果として、空力開発の自由度が高まることでGT3との明確な差別化が図られ、より大型のディフューザーを搭載したLM-GTE車両が登場することになりました。

歴史



LM-GTEの歴史は、2011年にグループGT2から進化した形で誕生したことから始まります。2014年にはGT3との統合が試みられるも結果には至りませんでした。2016年に、リアオーバーハングに関わる空力開発の規制が大幅に緩和され、次第にレースの戦略が変わっていきます。

2017年には、チームとメーカーの数が増加したことに伴い、WECシリーズのLM-GTEプロクラスがワールドカップから世界選手権に格上げされました。この年から、競技の重要性がさらに高まりました。また、2021年1月には、IMSAが新たにGTデイトナPro（GTD Pro）クラスを導入することも発表し、これがLM-GTEのファクトリーチームの活動に影響を与えることとなりました。

参戦可能なレース



LM-GTEは、以下のような重要な耐久レースに参加することができます：

しかし、2023年にはLM-GTEの廃止が決定され、ポルシェやフェラーリといった主要メーカーも新たなクラスへのシフトを進めており、結果的にLM-GTEの競技シーンは一つの歴史を閉じることになりました。

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