あい愛バス

あい愛バス

岐阜県美濃加茂市が運営するコミュニティバスが「あい愛バス」です。市民の日常的な移動手段として、また市内の主要施設や観光スポットへのアクセスを担っています。

運行開始と再編の歴史

あい愛バスは、2000年10月に運行を開始しました。当初は路線の分かりにくさや運行頻度の少なさから、利用が伸び悩む時期がありました。しかし、2017年10月に大規模な再編が実施され、運行ルート、運行頻度、使用車両が大幅に見直されました。この再編により利便性が大きく向上し、利用者は増加に転じ、現在もその傾向が続いています。

運行開始当初は岐阜バスと新太田タクシーに運行が委託されていましたが、2020年10月以降は新太田タクシー単独での委託運行となっています。

現在の運行体制

現在のあい愛バスは、美濃加茂市内を中心に8つの路線で運行されており、全ての路線がJR美濃太田駅を拠点としています。一部の路線は、可児市、坂祝町、富加町といった近隣自治体にも乗り入れています。

山間部を走行する一部区間では「フリー乗降制」が導入されており、バス停以外の場所でも安全な場所であれば手を挙げるなど意思表示をすることで乗り降りが可能です。また、地域にゆかりのある人物名や特産品にちなんだ路線名（例：あまちの森・しょうよう線、フルーツ山之上線など）が付けられており、親しみやすさが図られています。

全路線が年末年始（12月31日～1月2日）を除き毎日運行しています。

主な路線

まちなかぐるっと線: 市街地を循環し、市役所、病院、商業施設などを結ぶ基幹路線です。
3公園連絡線: 美濃太田駅から市内の主要な公園施設（リバーポートパーク、文化の森、ぎふ清流里山公園、健康の森）を結びます。
古井駅 - 可児川駅線: 古井駅、美濃太田駅、可児川駅を結び、高校が多く立地するエリアのため学生の利用が多い路線です。

この他にも、地域ごとの特色を反映した路線が運行されています。

運賃について

あい愛バスの運賃は、どこの区間を乗っても1乗車100円の均一運賃です。

小中学生、各種障害者手帳所持者およびその介護者1名、運転免許自主返納者は無料で利用できます。
現金払いのほか、LINE Pay、PayPayといったバーコード決済が利用可能です。ICカードは利用できません。
お得な回数券（11枚綴り1,000円）や定期券（1ヶ月2,000円、65歳以上は1,000円）も販売されており、スマートフォンアプリでの購入も可能です。
* 特定の期間には「あい愛バスに親しむ日」として無料開放されることもあります。

使用車両と今後の展望

現在、あい愛バスではバスタイプ車両5台とワゴンタイプ車両9台が使用されています。導入されている車両には、日野ポンチョ、日野リエッセⅡ、トヨタハイエースコミューターなどがあります。特筆すべきは、SDGsへの取り組みとして導入されたBYD J6というEV（電気自動車）バスです。これは岐阜県内で初のEVバス導入事例となりました。

今後も環境負荷軽減の観点から、車両更新や増車の際にはEVバスの導入が検討される方針が示されています。

地域住民にとって、あい愛バスは美濃加茂市内での移動を支える重要な公共交通機関として定着しています。

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