あけぼの (護衛艦・2代)

護衛艦「あけぼの」について

護衛艦「あけぼの」（ローマ字：JS Akebono, DD-108）は、海上自衛隊に所属するむらさめ型護衛艦の8番艦である。その艦名は、「東の空が次第に白んでいく頃」という意味を持つ「曙」に由来し、日本における歴代の艦艇名も同様の名を持つ。古くは旧海軍の雷型駆逐艦「曙」をはじめ、吹雪型駆逐艦「曙」、さらに護衛艦「曙」として名を受け継ぐ、4代目の艦艇となっている。

本艦の艦歴を中心に記事を進めるが、性能や装備等の詳細についてはむらさめ型護衛艦の情報を参照されたい。

艦歴

「あけぼの」は、平成9年度計画の一環として、1999年10月29日に東京の石川島播磨重工業で起工した。2000年9月25日には進水を行い、2002年3月19日に艦籍に登録されて海に出た。就役後は第4護衛隊群第4護衛隊に配属され、呉に配備された。

2003年に入ると、テロ対策特別措置法に基づき護衛艦「ひえい」や補給艦「ときわ」と共にインド洋へ派遣され、翌年3月には帰国した。この任務の後も、他艦とともに参加した米国派遣訓練や、護衛隊の改編に伴う部隊の変更が続き、2008年には第1護衛隊群に編入された。

2009年の新テロ特措法に基づく再度のインド洋派遣を経て、2010年にはオーストラリア海軍との共同訓練を実施。また、ハワイでの演習RIMPAC2010にも参加し、国際的な任務を果たしていった。

特筆すべきは、2011年の東日本大震災での災害派遣であり、この際には国の求めに応じて迅速に出動した。以後、編成替えとともに活動の拠点を佐世保に移し、海賊対処行動水上部隊としてもソマリア沖に派遣されている。

2017年からは、日本周辺での安全保障活動としてアメリカ海軍との共同訓練を頻繁に実施。また、2022年には南シナ海にて各国との連携強化を目指した訓練を行い、中国海軍の動向に対する情報収集と警戒監視の任務も引き受けている。

2023年には、米フィリピン共同での訓練や、日米豪加新共同訓練など多様な国との協力を重視し、これにより国際的な安全保障の枠組みの中での役割を果たしている。

その他の情報

「あけぼの」が石川島播磨重工業東京第1工場で建造された最後の艦であり、先代の同名艦がここで最初に建造された艦艇でもあることで、その歴史的な意義も大きい。現在では第1護衛隊群第5護衛隊に所属し、国防の任務の一環として活躍している。

この艦は、海上自衛隊が目指す「自由で開かれたインド太平洋」の実現にも寄与しており、グローバルな視点での安全保障が重要視される現代において、その活動はますます重要性を増している。

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