あこがれ (玉置浩二のアルバム)

玉置浩二『あこがれ』：内なる世界を映すバラード集

玉置浩二の2ndソロアルバム『あこがれ』は、1993年3月24日にKitty Recordsからリリースされました。前作『All I Do』から約6年ぶり、安全地帯のアルバムを含めても約1年3ヶ月ぶりのオリジナルアルバムとして、ファン待望の作品となりました。

制作の背景

安全地帯が1992年にデビュー10周年を記念したライブツアーを敢行。その最終公演は玉置自身が「安全地帯のベスト・ライヴ」と語るほどの出来となり、ライブビデオもリリースされました。しかし、バンドとしては活動休止へ。その中で、玉置はソロとして新たな音楽性を追求し始めます。

楽曲について

本作は、玉置が長年温めてきたバラードを中心に構成されています。当初、玉置自身が作詞に意欲を見せていましたが、作詞経験がほとんどなかったため難航。そこで、浜田省吾や尾崎豊などの作品を手がけた音楽プロデューサーの須藤晃が作詞担当として参加することになりました。須藤の参加により、玉置の精神世界を表現した歌詞がアルバムに深みを与えました。

音楽性

『あこがれ』は、アコースティックな音使いをメインとした、内省的で精神的な世界観が特徴です。先行シングル「コール」は映画『ナースコール』の主題歌として使用され、アルバムのリリースを盛り上げました。

玉置は須藤の歌詞を絶賛し、アルバム収録曲の多くを須藤が作詞。須藤自身も、この時期の玉置がソロへの移行を志向していたと感じており、本作以降、玉置の作風が人生観を綴ったものへと変化したことを肯定的に捉えています。

リリースと評価

アルバムはオリコンチャートで最高位4位を獲得。安全地帯時代から在籍していたKitty Recordsからの最後のアルバムとなり、後にSony Recordsへと移籍しました。

音楽情報サイトからは、本作が「しみじみ感じさせてくれるバラード集」として評価され、忘れがたい大切な気持ちを音楽にした作品として絶賛されています。TOWER RECORDS ONLINEも、安全地帯の活動休止直後にリリースされたことを踏まえ、「玉置浩二ならではの美しいバラードを数多く収めた、名盤の誉れ高き作品」と評しています。

収録曲

1. スケジュール
2. コール
3. 虹色の ফাইন
4. 大切な時間(とき)
5. Walking On The Beach
6. I'm Dandy
7. 男は करो
8. 星のファンタジー
9. あのとき…
10. 惑星

まとめ

『あこがれ』は、玉置浩二がソロアーティストとして新たな境地を開いた作品であり、彼の内面世界と音楽的な才能が融合した、聴く者の心に深く響くアルバムです。アコースティックなサウンドと精神性を重視した歌詞が、玉置浩二の新たな魅力を引き出しています。

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