あすなろ号

高速バス「あすなろ号」について

「あすなろ号」は、岩手県盛岡市と青森県青森市を結ぶ高速バス路線です。1987年に運行を開始し、当初は5社共同で1日8往復運行していましたが、現在は岩手県北自動車と弘南バスの2社が1日4往復運行しています。

概要

1987年、高速バス「ヨーデル号」の成功を受け、岩手県北バス、岩手県交通、JR東日本バス（現JRバス東北）、弘南バス、秋北バスの5社共同で「あすなろ号」の運行が開始されました。当初、盛岡駅前への乗り入れが認められず、駅向かいのバス停からの発着となりました。その後、小坂インターチェンジの利用開始に伴い、小坂バス停が小坂パーキングエリアから小坂高校前に移設されたり、青森側の発着地が東青森まで延長されるなど、利便性の向上が図られました。しかし、岩手県交通、JRバス東北、秋北バスが撤退し、現在は4往復の運行となっています。

函館方面へのアクセスを考慮し、青森港フェリーターミナルで東日本フェリーの高速フェリー「ナッチャンRera」「ナッチャンWorld」との接続も行われましたが、2008年10月末に高速船「ナッチャン」が運航を休止したため、フェリーターミナルへの乗り入れも中止されました。その後、2014年8月1日から津軽海峡フェリーとの接続のため、1往復のみフェリーターミナルへの乗り入れが再開されました。

運行会社

現在、「あすなろ号」を運行しているのは以下の2社です。

岩手県北自動車
盛岡南営業所が担当（岩手ナンバー）。
続行便で貸切車が使用される場合は、盛岡営業所が担当することがあります。
岩手県北バス担当便は、青森到着後、しあわせプラザ隣接のバス駐車場まで回送されます。
弘南バス
青森営業所が担当（青森ナンバー）。
JRバス東北は、青森駅と盛岡駅のJRバスきっぷうりばで乗車券の販売を受託しています。

過去には、以下の会社も運行に携わっていました。

岩手県交通（2005年3月31日撤退）
都南営業所が担当（岩手ナンバー）。乗務員は盛岡地区の各営業所持ち回りでした。
ジェイアールバス東北（2006年3月31日撤退）
青森支店が担当（青森ナンバー）。
秋北バス（2010年3月31日撤退）
車両は自動車事業部（大館、秋田ナンバー）、乗務員は花輪営業所が担当。青森行きの便は花輪で乗務員交代を行っていました。
車両は「みちのく号」と共通運用で、岩手県北バス盛岡南営業所で「みちのく号」と「あすなろ号」の車両を交換していました。

停車停留所

2014年8月1日現在の停車停留所は以下の通りです。

盛岡駅西口
盛岡インター
滝沢インター
小坂高校前
碇ヶ関
大鰐
青森大野
青森駅前
青森港フェリーターミナル

凡例：○乗車のみ、●降車のみ、◎乗降可、↓↑通過、◇◆休憩

運行回数

1日4往復（岩手県北バス2往復、弘南バス2往復）

運賃

乗車当日に整理券を受け取り、降車時に精算する方式です。ただし、弘南バス運行便は青森市内と盛岡駅からの乗車時に整理券は発券されません。
乗車券は、JRバス青森駅きっぷうりば自動券売機、JRバス盛岡駅きっぷうりば自動券売機、盛岡駅西口バス待合室内自動券売機で購入できます。
盛岡～函館間を当路線と津軽海峡フェリーを乗り継ぐ「盛岡・函館きっぷ」は、盛岡駅東口バス案内所（県北バス窓口）で発売しています。

歴史

1987年8月1日：路線新設。1日8往復で運行開始。
1988年3月：回数券新設。
1988年4月1日：JR東日本のバス部門子会社化により、JRバス東北に移管。
1988年7月9日：青森側の発着地を東青森に延伸。青森市内に新バス停を設置。
1989年：碇ヶ関バス停を新設。
1990年：青森市内に青森大野バス停を新設。
1993年12月：小坂バス停を小坂PA内から小坂高校前に移設。
1995年12月1日：1日6往復に減便。
1998年12月8日：青森側の発着地を青森駅前に変更。
2000年4月1日：盛岡駅の乗り場を西口バスターミナルに変更。
2005年11月30日：岩手県交通が撤退。秋北バスが担当便を引き継ぐ。
2006年3月31日：JRバス東北が乗車券販売を除き撤退。秋北バスが担当便を引き継ぐ。
2007年8月27日：「盛岡・函館きっぷ」発売開始。
2007年9月1日：東日本フェリー高速フェリー就航に伴い、一部便を青森港フェリーターミナルに延伸。
2008年10月31日：高速フェリー運航終了に伴い、青森駅～青森港フェリーターミナル間の運行を休止。「ナッチャン盛岡・札幌きっぷ」「盛岡・函館きっぷ」の発売を終了。
2010年4月1日：秋北バスが撤退。1日4往復に減便。
2011年3月16日：東日本大震災の影響で運休していたが、弘南バスが1往復で運行再開。
2012年12月1日：盛岡 - 小坂高校前間および盛岡 - 青森市内間に2回回数券を設定。盛岡駅西口のりば変更。
2014年8月1日：「盛岡・函館きっぷ」発売再開に伴い、青森駅前～青森港フェリーターミナル間の運行を1往復のみ再開。
2019年6月21日：運賃改定。4回回数券の有効期間を変更。
2020年4月24日：新型コロナウイルスの影響により1日2往復に減便。
2022年2月11日：岩手県北自動車担当便が一部期間運休。
2022年4月1日：岩手県北バス担当便でICカード「iGUCA」導入、交通系ICカード全国相互利用サービス利用開始。
2022年12月16日：運賃改定。4回回数券と学生割引運賃を廃止。
2023年3月31日：『iGUCA』の交通ポイント付与を終了。

乗車券

整理券方式で乗車当日下車時精算。弘南バス運行便は青森市内と盛岡駅からの乗車時に整理券は発券されない。
JRバス青森駅、盛岡駅のきっぷうりば自動券売機、盛岡駅西口バス待合室自動券売機で乗車券を購入できる。
盛岡～函館間を当路線と津軽海峡フェリーを乗り継ぐ「盛岡・函館きっぷ」は、盛岡駅東口バス案内所（県北バス窓口）で発売。

ICカード

岩手県北バス担当便では、交通系ICカード全国相互利用サービスによるICカードが利用可能。
地域連携ICカードである『iGUCA』の交通ポイント付与は、岩手県北バス担当便利用時のみに適用されていたが、2023年3月31日に終了。

利用状況

詳細な利用状況のデータは公表されていません。

関連項目

ヨーデル号
とわだこ号

脚注

[参考資料]

弘南バス あすなろ号青森⇔盛岡
岩手県北自動車 盛岡⇔青森（あすなろ号）

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