あつみ温泉

あつみ温泉の概要

あつみ温泉（あつみおんせん）は、日本の山形県南端部、温海川沿いに位置する温泉地です。水質は温泉水を井戸からポンプで汲み上げる方式で確保されており、古くから「温海温泉」とも呼ばれていました。温泉名は、当地の温泉が温海川を通じて海へ流れ込み、その水が周囲を温めていることから名付けられています。

泉質

あつみ温泉の特徴的な泉質は、標高22mから32mの温海川沿いで湧出する源泉から得られます。それぞれの源泉によって泉質が異なり、現在は3つの源泉が管理され、効率的に温泉施設に供給されています。山形県は高温泉が豊富であり、あつみ温泉も例外ではなく、源泉の温度は51.5℃から72.9℃、pHの範囲は7.5から8.3となっています。

温泉地の特徴

温海川の河口から約2kmの位置に位置するあつみ温泉は、温海岳の西側、矢矧山の北側に広がっています。この温泉街では、温海川沿いに7軒の旅館が立ち並び、観光客にとって快適な滞在空間を提供しています。また、多くの休憩施設も整備されており、訪れる人々は癒しの時間を過ごすことができます。

最近では「くらしのみちゾーン」として歩行者優先の道路が整備されており、中心部には無料の足湯も設置されています。足湯の設置は、観光客に温泉の魅力を楽しんでもらうための新しい形として好評です。

共同浴場

温泉街には3つの共同浴場があり、訪問者は300円の管理協力金を支払うことで誰でも入浴できます。

• - 下の湯: 温泉街の入り口に位置し、円形の浴槽を備えた大型の公衆浴場。
• - 正面湯: 中心部にあり、朝市に近い立地。
• - 湯之里公衆浴場: 温泉街の奥部にある歴史を感じさせる浴場で、地元の人々に親しまれています。

足湯

この温泉地では、観光の新しいスタイルとして足湯も設置されており、旅行者にリラックスしたひとときを提供しています。あつみ温泉には以下の足湯があります。

• - あんべ湯: 温泉街の中心に位置し、道路の真ん中に整備されています。
• - もっしぇ湯: 足湯カフェChittoMotchéに併設されており、飲食も楽しめます。
• - もっけ湯: 温海川沿いに設置されている足湯です。

それぞれの名前は庄内弁に由来しており、地域の文化にも触れることができます。

周辺の公園

あつみ温泉は自然環境にも恵まれており、いくつかの公園も存在します。

• - あつみ温泉ばら園: 90種約3000本のバラが咲き誇り、6月には「ばら園まつり」が開催され、それに合わせたイベントが行われます。
• - 大清水公園: 庄内藩の湯治の際に用いられた湧水が美しい景観を提供し、小さな休憩所も整備されています。

名物料理

あつみ温泉の名物には、美味しいスイーツや漬物があります。

• - 元禄餅: 砂糖、白玉粉、抹茶を使った柔らかな餅菓子です。
• - 栃餅: 栃の実から作られた餅で、こしあんが包まれた大福餅。
• - あつみかぶ漬け: 温海町の特産である赤いカブを用いた漬物です。

歴史概説

あつみ温泉の開湯は西暦821年に弘法大師に由来すると言われており、時代を経て温泉地として発展してきました。江戸時代には庄内藩の藩主の下で、浴客を受け入れる宿屋が増え、独特な温泉街の雰囲気が生まれました。 国民学校からの学童集団疎開なども受け入れた歴史があり、多くの人々に愛され続けてきました。1951年の大火災を契機に新たな源泉の掘削が行われ、現在の温泉体制が確立されました。

アクセス情報

あつみ温泉は、JR羽越本線のあつみ温泉駅から東へ約2kmの距離にあります。また、自家用車を利用する場合は、日本海東北自動車道あつみ温泉インターチェンジから約5分の位置にあります。近年の整備やアクセスの向上により、多くの観光客が訪れる人気の温泉地として知られています。

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