あの人に似ている

「あの人に似ている」は、1994年10月21日にSony Recordsから発売された高倉健と裕木奈江によるデュエットシングルです。

制作背景

この楽曲は、郷ひろみや山口百恵の音楽プロデューサーとして知られる酒井政利と、作曲家の宇崎竜童が音楽監督を担当した企画から生まれました。作詞・作曲には、さだまさしと中島みゆきという、日本を代表するシンガーソングライター2人が起用されています。

楽曲の特徴

「あの人に似ている」は、男性パートと女性パートがそれぞれ異なるメロディーで進行し、サビで一つになるという、非常にユニークで複雑な構成を持っています。それぞれのパートは同じコード進行でありながら、独立した楽曲として成立するような二重構造となっています。

この構成は、当初さだまさしと中島みゆきに作詞・作曲のどちらかを分担して依頼するというオファーに対し、さだまさしが「せっかく中島みゆきとやるのだから」と提案し、あえてこのような形になったとのことです。制作プロセスとしては、まず中島みゆきが女性パートの作詞・作曲を行い、そのデモテープをさだまさしに渡しました。さだまさしは、中島みゆきの作った女性パートの隙間に男性パートのメロディーをはめ込み、サビを完成させたといいます。

この制作方法により、女性パートだけを抜き出して聞いても、あるいは男性パートだけを抜き出して聞いても、それぞれ独立した楽曲として成立する二重構造の楽曲が完成しました。これは、2人の才能が融合した結果生まれた、他に類を見ない表現と言えるでしょう。

その後

1996年には、さだまさしのアルバム『古くさい恋の唄ばかり』に、男性パート部分のみがセルフカバーとして収録されました。さらに、2002年に発売された中島みゆきのアルバム『おとぎばなし-Fairy Ring-』には、さだまさしとのデュエットバージョンが収録されています。

この楽曲は、高倉健の渋い歌声と裕木奈江の透明感のある歌声、そしてさだまさしと中島みゆきの卓越した作詞・作曲能力が融合した、時代を超えて愛される名曲として、多くの人々の心に刻まれています。

収録曲

あの人に似ている
(カップリング曲名)

カバー

* (カバーアーティスト名)

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