あべのベルタ

あべのベルタとは

あべのベルタは、大阪市阿倍野区に所在する多機能複合ビルです。イタリア語で「美しい」を意味する「Beltà」に由来する名称を持ち、Osaka Metro谷町線の阿倍野駅と地下通路で直結しており、交通アクセスに優れています。

概要と歴史

このビルは、阿倍野地区の再開発事業の一環として計画・建設され、1987年9月12日にその歴史を開始しました。構造は地下2階、地上17階建てで、高さはおよそ60メートルに達します。建物の上層階（4階から17階）は、事務所フロアと住宅エリアに分かれており、多様な機能を持っています。低層階には商業店舗が入り、当初はそごうホップや関西スーパーなどが主要テナントとして営業を開始しました。また、公共施設や企業の事務所なども入居しており、地域住民の生活やビジネスを支える役割を担っています。敷地に隣接する西館には、大阪市立阿倍野スポーツセンターが設置されています。

開業当初は賑わいを見せたあべのベルタですが、2000年12月には核テナントの一つであったそごうが経営破綻に伴い撤退しました。これ以降、他のテナントも閉店や移転が相次ぎ、館内には徐々に空きスペースが目立つようになりました。特に、近隣に大型商業施設であるあべのキューズタウンや超高層複合ビルであるあべのハルカスが開業してからは、テナントの流出や撤退の傾向がさらに加速し、かつての活気を失いつつある状況が見られます。

施設構成

現在のあべのベルタは、以下のフロア構成となっています。

4階～17階: 企業の事務所や共同住宅として利用されています。
3階: 大阪市立阿倍野市民学習センターが設けられており、生涯学習の拠点として機能しています。
2階: ゲームセンター、ファッション関連店舗、雑貨店など、比較的個性的なテナントが集まっています。自衛隊の出張所もこの階にあります。
1階: 菓子類の専門店、パチンコ店、郵便局、証券会社、不動産販売会社、葬祭関連サービス、鉱物や化石を取り扱うショップなど、多岐にわたる業種のテナントが営業しています。
地下1階: 食品スーパーの関西スーパーを主要テナントとし、他に食品専門店や理髪店など、日々の買い物や生活サービスに関連する店舗が中心です。
地下2階: Osaka Metro阿倍野駅への連絡通路があり、ドラッグストア、カフェ（珈琲館など）、パソコン教室などが立地しています。

過去には、レストランのサイゼリヤ（後に近隣へ移転）、アニメグッズ販売のアニメイト（後に近隣へ移転）、書店の福家書店、ハンバーガー店、美術館の展示会場、100円ショップのシルク、テナント不明のムロミカンなどが出店していましたが、現在は撤退しています。

近隣施設

あべのベルタの周辺には、大阪市立阿倍野スポーツセンター、市民健康づくり相談センター、阿倍野防災センター、阿倍野区民センター、阿倍野図書館といった公共施設や、大阪市営南霊園（阿倍野墓地）があります。また、大阪の主要幹線道路であるあべの筋に面しており、あべのキューズタウンやあべのハルカスなどの大規模商業施設、相原第二病院、大谷中学校・高等学校、大阪キリスト教短期大学といった教育機関も近隣に位置しており、多様な施設が集まるエリアの中心地帯に立地しています。

開業から時を経て、周辺環境や商業情勢の変化の影響を受けながらも、あべのベルタは阿倍野エリアにおける複合機能ビルとして存在感を保っています。

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