あまめはぎ

あまめはぎの伝統行事

あまめはぎとは、石川県の輪島市や鳳珠郡能登町に伝わる独特の妖怪の伝承です。この伝統行事は、1979年に「能登のアマメハギ」という名称で重要無形民俗文化財に指定されました。さらに、長い間途絶えていた新潟県村上市においても、2005年に保存会が設立され、かつての行事が再び行われるようになりました。村上市のあまめはぎは、市指定の無形民俗文化財としてその重要性が評価されています。

2018年11月29日には、あまめはぎとともに秋田県男鹿市の「男鹿のナマハゲ」や沖縄県宮古島市の「宮古島のパーントゥ」など、8県からなる10の行事がユネスコの無形文化遺産に認定されました。このことは、地域の文化や伝承が国内外で注目されるきっかけとなったのです。

あまめはぎの由来と習慣

あまめはぎは、囲炉裏や火鉢の近くで過ごす際にできる「火だこ」、すなわち温熱性紅斑を「アマメ」と呼び、怠け者の象徴とされています。このアマメを剥ぎ取る妖怪が「あまめはぎ」に他ならないのです。日本各地にはこのような行事の類似が存在しており、特に日本海側では秋田県のなまはげ、山形県のアマハゲ、福井県のあっぽっしゃなど、多様な妖怪行事が受け継がれています。

能登地方では、あまめはぎは主に正月や小正月の1月6日、14日、20日、さらには節分の日に行われます。この時期、参加者の若者や子供たちが仮面をかぶり、家々を回ります。行事のルーツは、農閑期の終わりを前に、農民を管理していた役人が鬼の姿で各戸に訪れ、怠惰な農民たちを戒めるために行われたとされています。このように、あまめはぎは農業に係わる文化や地域コミュニティの重要な伝承となっているのです。

新潟県村上市の大栗田集落では、もともとこの行事は子供たちのイベントとして行われていました。しかし、時代の変化とともに集落内の子供が減少し、伝承が途絶えてしまいました。それでも、2005年9月には「村上市あまめはぎ保存会」が設立され、地元の小学生たちが再び参加することで行事が復活しました。この努力によって、地域の文化が保存され、次世代に受け継がれることとなったのです。

これらの伝統行事は、地域のアイデンティティを形成する重要な要素であり、まさに日本の豊かな文化を象徴しています。あまめはぎが果たす役割は単なる行事にとどまらず、地域の人々が協力し合い、伝統を守っていく姿勢を示すものかもしれません。

参考情報

• - 能登町観光ガイド
• - 国指定文化財等データベース（文化庁）

あまめはぎに関する研究は、今後も地域における文化の振興や、観光資源としての発展に寄与することが期待されています。

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