あ・り・が・と・う

中島みゆきの3枚目のオリジナルアルバム『あ・り・が・と・う』は、1977年6月25日にリリースされました。

解説

中島みゆき自身が「初めてアレンジャーとの共同作業で制作したアルバム」と語るように、本作は坂本龍一や吉田建といった豪華なミュージシャンがレコーディングに参加しています。オリコンアルバムチャートでは最高6位を記録し、彼女にとって初のTOP10入りを果たしました。このアルバムを皮切りに、1998年リリースの25thアルバム『わたしの子供になりなさい』まで、22作連続でTOP10入りを達成するという記録を打ち立てました。

現在、ポニーキャニオン盤は廃盤となっていますが、アルバムを含む通販限定CDボックスは、ポニーキャニオンショッピングクラブで販売されています。1986年にはキャニオン・レコードからCD化され、現行盤は2018年にヤマハ・ミュージック・コミュニケーションズから再発売されたデジタルリマスタリング盤です。2010年には、Tom Bakerによるデジタルリマスタリングが施されたクリスタルディスクも発売されました。さらに、2012年には8枚組BOXセット『中島みゆきBOX　私の声が聞こえますか〜臨月』にも収録され、通信販売限定でリリースされています。

収録曲

LPレコード、CD共に以下の楽曲が収録されています。

1. 遍路
2. 店の名はライフ
3. まつりばやし
4. 女なんてものに
5. 朝焼け
6. ホームにて
7. 勝手にしやがれ
8. サーチライト
9. 時は流れて

楽曲解説

店の名はライフ: 北海道大学正門前にあった喫茶店「ライフ」がモデル。後に漫画喫茶「ニューライフ」と改名されましたが、1992年に取り壊されました。歌詞にある「自転車屋のとなり」は実在した風景です。
まつりばやし: 亡き父を題材にした曲と言われています。1992年には北海道拓殖銀行のCMソングとして使用されました。2005年には、ジャズピアニストの山中千尋がアルバムでカバーしています。
女なんてものに: 作家の吉行淳之介との対談が制作のきっかけになったとされています。
朝焼け: 桜田淳子、夏木マリ、古手川祐子など、多くのアーティストによってカバーされています。
ホームにて: シングル「わかれうた」のB面としてシングルカットされました。
勝手にしやがれ: 研ナオコがアルバムでカバーしていますが、歌詞が一部異なっています。
サーチライト
時は流れて: 発売前に東京大学の学園祭で初披露されました。

演奏者

中島みゆき - Vocals
坂本龍一 - Keyboard
吉田建 - Bass
杉本喜代志 - Guitar
* 小松崎政雄 - Drums


本作は、中島みゆきの音楽キャリアにおいて重要なターニングポイントとなった作品であり、彼女の初期の魅力を堪能できる一枚です。

もう一度検索