いかめし阿部商店

いかめし阿部商店の紹介

株式会社いかめし阿部商店は、北海道旅客鉄道（JR北海道）の函館本線森駅を拠点に、駅弁と食品の製造販売を行っています。この会社が製造する駅弁「いかめし」は、北海道の名物として多くの人々に親しまれています。

歴史の深い会社

阿部商店の歴史は1838年に遡ります。当初は「阿部旅館」として営まれ、北海道の歴史と共に成長を遂げました。ニシン漁で栄えた森町は、函館への街道や室蘭への航路の交差点として重要な役割を果たし、宿場町として多くの人々に利用されました。1903年には弁当事業をスタートし、「阿部弁当店」と名付けられることで、その事業が本格化しました。

いかめしの誕生

1941年に誕生した「いかめし」は、戦時中の米不足を補うために考案されました。店主の妻、阿部静子の発案で、豊漁だったスルメイカを使用し、米を節約した新しい料理として生まれました。初めは「いかごはん」と名付ける案がありましたが、静子は「田舎だから」との思いを込めて「いかめし」と名付けました。このユニークなアイディアが、今日の名物の起源となりました。

会社の変遷

戦後の1943年に旅館業を廃止して駅弁業に専念し、その後、1956年からは道外での物産展への参加も始めました。1987年には株式会社に改組し、現在の「いかめし阿部商店」となります。そして2020年には法人の再編を行い、新たに2代目法人として三印三浦水産株式会社傘下となりました。

現在のいかめし

現代のいかめしは、スルメイカの中に餅米とうるち米を詰め、じっくり煮込むスタイルが特徴です。森駅内や駅前の店舗はもちろん、夏季にはプラットホームでの販売も行われ、多くの観光客に人気があります。 元々は駅内での販売がメインでしたが、急行の停車がなくなったことから、1955年には東京の百貨店での実演販売にも取り組み、ここから売上が急増しました。特に京王百貨店で行われる「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」では、かつて35回のうち32回で売上No.1の記録を達成しました。

発展する販売形態

2016年からは真空パックでの販売を開始し、これにより賞味期限が最大3ヵ月に延び、道内の様々な駅や空港でも広く流通するようになりました。イカの調達に関しては、1970年代の不漁を受けてニュージーランド産のイカに切り替え、最近ではイカの仕入れ値が高騰していますが、三印三浦水産の助けにより、安定した供給が維持されています。

多彩な商品ライン

いかめし阿部商店では、定番のいかめし以外にも、いかめしのレトルト版やコロッケなど、多彩な商品が取り揃えられています。これにより、より多くの消費者にその味を楽しんでもらえるよう努めています。

まとめ

いかめし阿部商店は、歴史ある町の特産品としての役割を果たし、時代の変化に柔軟に対応しながら進化を続ける企業です。これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

もう一度検索