いこまいCAR

いこまいCAR

「いこまいCAR（いこまいかー）」は、愛知県江南市が主体となり、名鉄グループのタクシー会社である名鉄西部交通へ運行を委託している地域内交通サービスです。

このサービスは、当初コミュニティバスと同様の機能を持つものとして計画されましたが、その実態は車両も運行形態も乗合タクシーに近い特徴を持っています。全国的にも、このようなタクシー車両を利用した形態でコミュニティバス的な役割を担う事例は少なくありません。

提供された情報は、定期便が廃止された時点での運行状況に基づいています。現在は定期便の運行は行われておらず、利用には事前の予約が必要な形態へと移行しています。

過去の運行（定期便廃止時）

定期便が運行されていた頃は、主に以下の二つのルートが存在しました。

県営松竹住宅コース: 市役所を起点とし、県営松竹住宅を結んでいました。このコースはアピタ江南西店前を経由していました。
すいとぴあ江南コース: すいとぴあ江南と江南厚生病院の間を結んでいました。

運賃体系（定期便廃止時）

定期便運行当時の運賃は、以下の通りでした。

1回の乗車（1区間）につき一律100円。
小学生以下の子どもは無料で利用できました。

沿革

いこまいCARの歴史は、2002年（平成14年）1月5日に試験運行を開始したことから始まります。この試験運行期間は2004年（平成16年）9月30日まで続けられました。試験運行での実績を踏まえ、翌日の2004年（平成16年）10月1日からは本格運行へと移行しました。

運行開始後、地域の交通事情の変化に合わせて一部見直しが行われました。2008年（平成20年）4月1日には、名鉄バスが江南・病院線を新設したことに伴い、重複する体育館・布袋ふれあい会館区間が廃止されました。また、すいとぴあ江南コースも、起点が江南厚生病院からとなるようにルートが変更されました。

そして、2013年（平成25年）3月31日をもって、いこまいCARの定期便運行は終了しました。これは、名鉄バスが代替となる新たな路線を運行することになったためです。定期便の終了後、いこまいCARは現在の予約制運行へと転換しました。

運行の特徴

いこまいCARの大きな特徴の一つは、その運行に使用される車両です。名鉄タクシーが所有する、定員5名の中型タクシー車両がそのまま使われています。外見上は一般的なタクシーと区別がつきにくいため、車両の助手席側にある日よけ部分にステッカーを貼ることで、「いこまいCAR」であることを示し、誤乗を防いでいます。

定員が5名と限られているため、利用者が多く満車になった場合には、運転手が運行事業者に連絡を取り、臨時便の手配が行われます。このため、状況によっては臨時便が到着するまで待つ必要がある場合があります。

また、使用されているタクシー車両は、介護仕様の車両ではありません。このため、折りたたみ式の車椅子以外の大型の車椅子などでの乗車は難しい場合があります。車椅子を利用される方など、タクシー車両での移動が困難な市民のために、江南市社会福祉協議会がリフト付きワゴン車による移送サービスを別途提供しています（このサービスは利用日の2ヶ月前から10日前までに予約が必要です）。

現在

前述の通り、現在いこまいCARは定期的なダイヤでの運行は行っておらず、利用にあたっては事前の予約が必須となっています。市民の足として、地域の細やかなニーズに応えるための予約型乗合タクシーとして運行が続けられています。

[外部リンク]
* 江南市 いこまいCARについて

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