いすゞ・ピアッツァ

いすゞ・ピアッツァ (ISUZU Piazza)

いすゞ・ピアッツァは、1981年から1994年までいすゞ自動車とヤナセによって販売されたクーペ型の小型乗用車である。この車両は、特にデザインと技術的な先進性で注目されており、数多くのトピックを持つ。ここでは、いすゞ・ピアッツァの開発の経緯、特徴、メカニズム、年表、そして販売されていた特別モデルについて詳しく解説する。

開発の歴史

いすゞは1978年、117クーペの後継モデルとしてピアッツァの開発を始めた。デザインは、イタリアの著名なデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロが担当し、彼の「Assoシリーズ」の最終作として「アッソ・ディ・フィオーリ」が構想され、1981年5月にピアッツァの名称で商品化された。ピアッツァのデザインは、当時の自動車市場において非常にユニークであり、エッジの効いたボンネットや3ドアハッチバックの形状が際立っていた。

特徴的なデザイン

ピアッツァの外観は、空力学を考慮された先進的なもので、Cd値は0.36であった。インテリアも同様に注意深く設計され、サテライト式コクピットが導入された。その特徴的な点は、ステアリングから手を離さずに多くの操作が可能であったことで、デジタルメーターや多機能スイッチが配置され、運転の快適性が大いに向上していた。また、エアコンの吹き出し口においても独特な機構が採用されており、運転席側はせり上がり、助手席側も横に広がるデザインが施されていた。

メカニズム

ピアッツァはFR方式を採用し、初代ジェミニのエンジンを基にした1.8LDOHCエンジンや改良版のSOHCエンジンを搭載した。1984年には電子制御式ターボエンジンが追加され、最高出力は180psに達した。トランスミッションは5速MTと4速ATが用意され、特にATはアイシンワーナーが供給したものであった。サスペンションとブレーキシステムも高い性能を誇り、全車にバンディッシュディスクブレーキを採用していた。

年表

• - 1981年6月 - ピアッツァが発売。キャッチコピーは「シニア感覚」。
• - 1983年5月 - ドアミラー変更。
• - 1984年6月 - ターボエンジンの追加、出力180psを記録。
• - 1985年11月 - チューナーのイルムシャーによる特別仕様が発売。
• - 1987年 - デザイン賞を受賞。
• - 1988年6月 - ハンドリングバイロータス仕様が追加。
• - 1991年7月 - 生産終了。

ピアッツァ・ネロ

ピアッツァは日本国内でヤナセによって「ピアッツァ・ネロ」という名称でも販売され、特別仕様が設けられた。外装にブラックやピンストライプを使用し、個性的なデザインがなされていた。

日本国外での販売

ピアッツァは北米市場で「いすゞ・インパルス」として展開され、一方オーストラリアでは「ホールデン・ピアッツァ」として販売された。両国での販売戦略は異なったが、いずれもデザインや技術におけるいすゞの理念が反映されていた。

結論

いすゞ・ピアッツァは、その独自のデザインと先進的な技術で、多くのファンを魅了したモデルである。2023年現在、ピアッツァは自動車史の中での重要な位置を占めており、当時の車社会における影響を強く残している。

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