いつか晴れた日に (山下達郎の曲)

「いつか晴れた日に」

「いつか晴れた日に」は、1998年4月29日にリリースされた山下達郎の第31作目となるシングルです。この曲は、TBS系ドラマ『先生知らないの?』の主題歌として書き下ろされました。発表からしばらくも経った後、リミックスバージョンが収録されたアルバム『COZY』や、彼のオールタイム・ベストアルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』に登場します。また、松本隆の作詞活動30周年を祝う企画として制作されたCD-BOX『風街図鑑』にも収録され、リスナーに強い印象を残しました。

山下達郎自身はこの曲について「自分の曲としては異色です。いろんな意味で自己模倣ではないので、意欲作でチャレンジとも言えます」と語っています。曲のスタイルやメロディーは、これまでの彼の作品とは異なるアプローチが試みられていて、意図的にいつものパターンから脱却したそうです。しかし、当初の期待に反して売れ行きはさほど良くなく、それでも本人は納得していると述べています。彼はこの曲の背景に、ライブを行っていないことからくる「作家主義的」な感覚があったとも語っており、ギターの弾き語りができる曲を求める中でこの楽曲が生まれました。

シングルにはなお、「好・き・好・きSweet Kiss!」という曲も収録されており、後にベストアルバム『RARITIES』に追加レコーディングを行った上で収められました。この曲は、元々は他のアーティストへの楽曲提供を念頭に置いて作られたため、作家的な要素が色濃く反映されています。EPOの80年代の楽曲に似た雰囲気を持ちながら、山下自身の独自のスタイルも感じられます。

また、「いつか晴れた日に (Stand Alone Version)」は、ギター1本による弾き語りバージョンで、これもベストアルバム『RARITIES』にリミックスされた形で収録されました。この曲は元々、弾き語り用に作られたため、シングルのカップリング曲には「好・き・好・きSweet Kiss!」のカラオケバージョンの代わりに収録されることになった経緯があります。山下達郎は、特にこの弾き語りバージョンに対して独自の視点を持っており、音の厚みについても語っています。

さらに山下は、このシングルのマスタリングについても言及しています。彼は、別のアーティストのシングルを聴いた際に「これが本当に良いのか？」と疑問を抱いたと述べています。特に、音量が非常に高く、少なくとも8デシベルも盛り込まれていたという事実は、彼にとっては驚きだったようです。山下は自らの楽曲がどのように聞こえるのか心配しつつも、作品に対する自身の誇りと独自の音楽性を維持し続けています。

このシングルには以下の収録曲があります。

• - いつか晴れた日に
• - 好・き・好・きSweet Kiss!

このように、「いつか晴れた日に」は山下達郎が挑戦的な姿勢で作り出した一枚であり、彼の音楽キャリアにおける重要な作品の一つと言えるでしょう。

もう一度検索