いつまでもいつまでも

ザ・サベージのデビュー曲「いつまでもいつまでも」は、1966年7月1日に発売され、日本の音楽史に名を刻む一曲となりました。この曲は、それまでのザ・サベージのイメージを覆す、フォークバラードという新たな試みでした。

ザ・サベージは、当初エレキ、インスト系のバンドとして活動していました。そのため、フォーク調の曲でデビューするという戦略は、周囲を驚かせました。しかし、この大胆な選択は見事に成功し、「いつまでもいつまでも」は、当時流行していたフォークソングブームとグループサウンズブームの両方を捉え、大きなヒットを記録することとなります。

作詞・作曲を手掛けたのは、佐々木勉です。彼は、ホリプロダクションの堀威夫社長に見いだされた、成城学園出身の才能豊かなカレッジフォークシンガーソングライターでした。加山雄三やマイク眞木といったフォーク界の先輩たちの系譜を受け継ぎつつも、独自の感性で聴く者の心を掴む名曲を世に送り出したのです。

「いつまでもいつまでも」の歌詞には、佐々木勉自身の深い経験が反映されています。学生時代に水難事故で恋人を亡くしたという、彼にとって忘れられない出来事が、この曲の着想源となっています。失恋の悲しみ、そして大切な人を失った喪失感、それらが繊細かつ力強く表現された歌詞は、多くの人々の共感を呼び、時代を超えて愛される理由となっています。

B面には、寺尾聰作詞・作曲の「恋の散歩道」が収録されています。この曲は、後に寺尾聰自身がソロで歌うことになります。

「いつまでもいつまでも」は、発売後もその人気は衰えることなく、1980年代にはダイア建設、1997年には積水ハウスのCMソングとして起用されるなど、幅広い世代に親しまれてきました。

数々のアーティストによってカバーもされています。例えば、1977年にはメイジャー・チューニング・バンドがメドレー曲「ソウル・これっきりですよ!!」の中で歌唱し、1974年には渡辺秀吉がアルバム『ぼくはもう一度恋をする』に収録しています。

「いつまでもいつまでも」は、単なるヒット曲というだけでなく、時代の空気、そして作者の深い心情が凝縮された、日本の音楽史における重要な作品と言えるでしょう。その美しいメロディーと心に響く歌詞は、これからも多くの人々の心に寄り添い続けることでしょう。

楽曲情報は以下の通りです。

いつまでもいつまでも
作詞・作曲：佐々木勉
編曲：林一
恋の散歩道
作詞・作曲：寺尾聰
編曲：林一

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