いわき貨物駅

いわき貨物駅：常磐線の貨物輸送を支えた拠点

いわき貨物駅は、かつて福島県いわき市内郷高坂町四方木田に位置し、常磐線の内郷駅と平駅（現在のいわき駅）間に存在した日本国有鉄道（国鉄）の貨物駅でした。最盛期には、常磐線や磐越東線の貨物列車を組成する重要な役割を担っていました。

駅の構造と機能

駅構内には、2面2線の有蓋車用上屋付き貨物ホームと、貨物列車を編成するための操車場が設けられていました。特に重要な駅として、全国に27駅しかない本社指定組成駅の一つに指定され、常磐線の長距離・短距離貨物列車、そして磐越東線の貨物列車を効率的に組成・運行するために重要な役割を果たしていました。

歴史

1972年10月1日: 貨物駅として開業し、貨物の取り扱いを開始。
1974年10月1日: 小荷物の取り扱いも開始。
1978年4月21日: 小荷物の取り扱いを廃止。
1984年2月1日: ダイヤ改正により、ヤード経由式貨物輸送が廃止されたため、組成駅の指定が解除。
1985年3月14日: 内郷機関区とともに廃止され、いわき貨物信号場に格下げ。
1987年4月1日: 国鉄分割民営化に伴い、JR東日本の信号場となる。
1998年頃: 信号場としても廃止。

内郷機関区：常磐線電化の歴史とともに

内郷機関区は、いわき貨物駅に隣接して設置された機関区で、常磐線の平（現いわき）電化に伴い開設されました。1967年の常磐線全線電化完成後には、常磐線・水戸線専用の交直流電気機関車EF80形が、田端機関区と並んで多数配置されるようになりました。EF80形は、常磐線平以南（貨物列車の場合はいわき貨物駅）における列車の牽引を多く担っていました。

EF80形のほかにも、交直流電気機関車であるEF81形（一部は300番台）、交流電気機関車ED75形、そして入換作業用の機関車などが所属しており、比較的規模の大きな機関区でした。しかし、内郷機関区はいわき貨物駅と同時に廃止され、その後EF80形も運用を終え、EF81形に統一されました。

所属車両には、「内」の略号が表示されていました。

隣接駅

廃止時点での隣の駅は以下の通りです。

東日本旅客鉄道（JR東日本）常磐線

内郷駅 - いわき貨物信号場 - いわき駅

まとめ

いわき貨物駅は、常磐線の貨物輸送において重要な役割を果たした駅であり、内郷機関区とともに地域の鉄道輸送を支えてきました。貨物輸送の変化とともにその役割を終えましたが、その歴史は記憶されるべきでしょう。

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