うっちゃり

うっちゃりとは

うっちゃりは、相撲の決まり手の一つとして知られています。漢字では「打っ棄り」または「打棄」と書かれ、その巧みな技術は多くの相撲ファンに親しまれています。

うっちゃりの技術

この技は、力士が相手に土俵際まで押し込まれている状況から、逆転して相手を土俵の外に投げ出すというものです。もともとは「捨てる」を意味する「打ち遣る」という言葉から派生していると考えられ、まさに苦境を逆転する技術です。例えば、相手の攻撃で優位な状況から一瞬の隙をついて技を発動することで、逆に相手を押し出すため、観客にとっては刺激的な瞬間となります。

判定と技術の難しさ

うっちゃりを成功させるためには、十分な瞬発力や強靭な足腰、さらには勝負強さが求められます。そのため、しばしば判定が物議を醸すこともある技であり、場合によっては同体で取り直しに至ることもあります。時には決まり手として登録される際に、力士が失敗して先に土俵を割ることもあり、その場合は「寄り倒し」といった他の決まり手になることもあります。

歴史的な技の使用例

歴史的に見ても、うっちゃりを得意とする力士は多く存在しました。若浪、大麒麟、霧島など、吊り技や四つ身を得意とする力士たちがこの技を駆使してきました。また、朝潮のような力士は、自らの体格を活かし、相手を支えるようにしてこの技を繰り出すスタイルも見られます。

双葉山もまた、この技で多くの逆転勝利を収めており、「うっちゃり双葉」という愛称で親しまれていました。しかし、彼が横綱昇進後は身体が整い、右四つのスタイルを確立することで、うっちゃりを使用する機会はめっきり減少しました。

近年のうっちゃり

近年においても、うっちゃりは相撲界で健在です。例えば、2007年の5月場所では寶智山が高見盛を相手にうっちゃりを決め、その迫力が観客を魅了しました。また、2008年の5月には安馬や栃ノ心が見事なうっちゃりを披露し、その豪快さに他の力士も驚愕しました。

その後も2013年から2023年にかけて、若元春や白鵬などの力士によるうっちゃりの例が続いています。特に、若元春はこの数年の間に多くのうっちゃりを決め、注目されています。これらの試合は、うっちゃりの難しさと魅力を再確認させるものでもあります。

うっちゃりの未来

昭和末期から平成にかけて、力士の大型化が進み、相撲界全体が大きな変化を遂げつつあります。それに伴い、うっちゃりの頻度は減少しているとの指摘もありますが、未だにこの技は多くの力士に影響を与え続けています。相撲において、うっちゃりが持つ特別な意義や魅力は、今後も後世に受け継がれていくことでしょう。

もう一度検索