うなぎ (映画)

映画『うなぎ』解説

『うなぎ』は、1997年に公開された日本映画。吉村昭の小説『闇にひらめく』を原作とし、今村昌平が監督・脚本を務めました。今村監督の実子である天願大介も脚本に参加しています。主演は役所広司と清水美砂。

作品概要

公開年: 1997年
監督: 今村昌平
原作: 吉村昭『闇にひらめく』
脚本: 今村昌平、天願大介、冨川元文
主演: 役所広司、清水美砂
制作・配給: 松竹

あらすじ

物語は、主人公の山下拓郎が、妻の不倫現場を目撃し、衝動的に妻を殺害してしまう場面から始まります。8年の刑期を終えた山下は、刑務官から託された一匹のうなぎと共に、ひっそりと理髪店を始めます。人間不信に陥っていた山下でしたが、うなぎにだけは心を開いていました。

ある日、山下は川で倒れている女性、服部桂子を発見します。桂子は、山下が殺害した妻に瓜二つでした。桂子は一命を取り留め、山下の理髪店で働くことになります。しかし、桂子は過去に何か秘密を抱えている様子でした。山下と桂子は、互いに心の傷を抱えながらも、次第に心を通わせていく様子が描かれています。

キャスト

山下拓郎: 役所広司
服部桂子: 清水美砂
高田重吉（隣家の船大工）: 佐藤允
高崎保（刑務所仲間）: 柄本明
野沢祐司（スポーツカーの男）: 哀川翔
斎藤昌樹（UFO青年）: 小林健
山下恵美子（山下の妻）: 寺田千穂
服部フミエ（桂子の母）: 市原悦子

受賞

第50回カンヌ国際映画祭 パルム・ドール
1998年 第21回日本アカデミー賞 最優秀監督賞、最優秀主演男優賞（役所広司）、最優秀助演女優賞（倍賞美津子）
第71回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・ワン

評価

『うなぎ』は、第50回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞するなど、国際的にも高い評価を得ました。不倫、殺人、出所後の生活という重いテーマを扱いながらも、ユーモアを交え、人間の再生を描いた作品として、多くの観客の心を打ちました。主演の役所広司をはじめとするキャストの演技も高く評価されています。

その他

奥山和由のプロジェクト「シネマ・ジャパネスク」における唯一の成功作品。
今村昌平監督は、『楢山節考』に続き2度目のパルム・ドール受賞。
役所広司は、前年の『Shall we ダンス?』『眠る男』に続き、国内の映画賞を多数受賞。

参考

原作は、吉村昭の『闇にひらめく』だが、同作家『仮釈放』も参考にしている。

外部リンク

うなぎ - allcinema
うなぎ - KINENOTE
The Eel - IMDb

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