うみねこのなく頃に散 episode6 - Dawn of the golden witch

うみねこのなく頃に散 episode6 - Dawn of the golden witch

『うみねこのなく頃に散 episode6 - Dawn of the golden witch』（黄金の魔女の夜明け）は、同人サークル07th Expansionが制作した『うみねこのなく頃に』シリーズの第6作であり、『うみねこのなく頃に散』としては2作目にあたります。2009年12月31日にコミックマーケット77で頒布されました。タイトル表記では「な」の文字が赤く強調されています。

概要

本作は、主人公である右代宮戦人が、敵対するはずの「魔女側」に身を投じるという衝撃的な展開から物語が始まります。これまで人間側の視点から語られていた物語が、魔女側の視点を通して描かれることで、物語の裏側や魔女たちの動機、そしてゲーム盤のルールなど、多くの謎に対するヒントが提示されます。

また、物語の外側の視点が再び描かれ、物語の作者や読者の存在が浮き彫りになることで、『うみねこ』シリーズのメタフィクションとしての構造がより明確になります。

ストーリー

1998年、右代宮縁寿は六軒島へ向かう道中、「ありえない記憶」に囚われていました。それは、メッセージボトル偽書作家である八城十八との面会です。ウィッチハンターを自称する八城は、六軒島事件の真相を解き明かしたと豪語し、偽書によって新たな物語を紡ぐことを許された「新しい無限の魔女」だと主張します。縁寿は、八城の新作偽書『Dawn of the golden witch』を読まされることになります。

一方、1986年の六軒島では、『うみねこのなく頃に散 episode5 - End of the golden witch』にて、戦人がベアトリーチェのゲームに勝利しました。戦人は、全ての真相を理解したことを証明するため、新たなゲームマスターとして物語を紡ぎ始めます。物語を矛盾なく完遂することができれば、戦いとベアトリーチェの長きにわたるゲームは終焉を迎えるはずでした。

戦人の最後のゲームの対戦相手は、前作に引き続き古戸ヱリカです。戦人は、正々堂々と、しかし本気でヱリカと勝負することを誓います。ヱリカが勝利しようと、戦人が勝利しようと、戦人がゲームを最後まで運用できた時点で、彼の目的は達成されるため、対戦相手を憎む必要はありません。

しかし、ヱリカは違いました。戦人を打ち負かすために、彼女は物語を破綻させることを画策します。ヱリカは戦人のゲーム盤のルールを逸脱しない範囲内で、様々な策略を駆使し、戦人が矛盾する物語を演出するように仕向けます。そしてついに、戦人は重大なロジックエラーを引き起こし、物語は破綻へと向かいます。

事件と謎

本作で発生する殺人事件は、人間には実行不可能と思われるものが多く存在します。これらの殺人が魔女の仕業なのか、人間の仕業なのかを見極めることが、物語の大きな分岐点となります。

また、犠牲者の一部は碑文に見立てられて殺害され、現場には魔法陣や魔女からの手紙が残されています。これらの小道具は、登場人物たちに「魔女ベアトリーチェが魔法によって殺人を犯した」という印象を与えます。

本作では、物語が完結する前にゲームが決着するため、これまでのエピソードと比較して、殺人の数は少なくなっています。

各事件概要

第1の事件：恋の試練の密室殺人
被害者：夏妃、絵羽、霧江、楼座、真里亞、戦人（第一の晩・六人の生贄）
概要：屋敷本館にて6人の遺体が発見される。現場は全て密室状態。生存者はゲストハウスに篭城。
第2の事件：死体消失
概要：ヱリカが戦人の遺体発見。客室はチェーンロックされた密室状態だったが、戦人の死体が消失する。
第3の事件：ロジックエラー
概要：ヱリカの推理に対し、戦人がロジックエラーを起こし、自らが作った密室に閉じ込められる。
第4の事件：姉弟対決
被害者：嘉音（第二の晩・寄り添う二人？）
概要：紗音と嘉音の決闘の結果、紗音が勝利。嘉音が消失する。
第5の事件：戦人救出
概要：ロジックエラーで密室に閉じ込められた戦人を救うため、ベアトリーチェが新たな密室トリックを構築し、ヱリカとの最後の対決に挑む。

TIPS

ベアトリーチェ：本作に登場するベアトリーチェは、戦人が生み出した「雛」であり、従順で奥手、魔法も使えません。過去のベアトリーチェとは大きく異なります。
ベアトリーチェの姉：雛としてのベアトリーチェとは別に、もう一人のベアトリーチェが登場します。彼女は過去のベアトリーチェと酷似しており、六軒島の夜を支配する魔女と同一の存在ですが、戦人との因縁や推理ゲームには興味がありません。
ロジックエラー：ゲームマスターが犯してはならない禁忌。物語の表裏が合わなくなること。人間の仕業として仮説を立てることが不可能な状況を作り出してはならないというルールがあります。
偽書：六軒島事件の魔女伝説を広めるきっかけとなった「メッセージボトル」を模倣した二次創作。インターネット上に多く存在し、中には事件の真相に気づいた者が作ったとされるものも存在します。

書籍情報

漫画：スクウェア・エニックス刊『月刊Gファンタジー』にて連載。作画は桃山ひなせ。
小説：講談社BOXより刊行。著者は竜騎士07、イラストはともひ。

外部リンク

うみねこのなく頃に 公式サイト
:::: GFantasy Website :::: うみねこのなく頃に散Episode6:Dawn of the golden witch -月刊Gファンタジーオフィシャルサイト

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