うりこひめとあまのじゃく

うりこひめとあまのじゃく

「うりこひめとあまのじゃく」は、日本各地に伝わる民話の一つで、瓜から生まれた瓜子姫が主人公です。この物語は、桃太郎のように植物から生まれた人物が活躍する民話として知られています。

物語の概要

物語は、おじいさんとおばあさんに大切に育てられた瓜子姫が、機織りをしながら美しい歌を歌う場面から始まります。ある日、おじいさんとおばあさんが買い物に出かけている間に、天邪[[鬼]]が現れ、言葉巧みに瓜子姫を騙して連れ去ってしまいます。

物語の展開は地域によって異なり、東日本では瓜子姫が死んでしまう悲しい結末を迎えることが多いようです。例えば、柿の木に登らされて墜落死したり、殺された上に皮を剥がれて天邪[[鬼]]が瓜子姫に成りすますという陰惨な話も存在します。一方、西日本では、瓜子姫が木に吊るされたり、降りられなくなっているだけで、最終的には助けられるという話が多いです。

天邪[[鬼]]の目的も様々で、単なるいたずらだけでなく、瓜子姫に成り代わって結婚しようとするケースもあります。また、瓜子姫に成りすました天邪[[鬼]]が結婚しようとするのを、木に吊るされた瓜子姫や、殺された瓜子姫の骨から生まれた小鳥が告発するという展開も見られます。これは、「三つのオレンジ」などの花嫁入れ替わり型の民話と共通する要素を持っています。

物語の最後では、天邪[[鬼]]は殺されることが多いです。その際、ソバ畑や粟畑を馬で引き回されたり、死体が捨てられた場所の植物が天邪[[鬼]]の血で赤く染まったという由来譚も多く残されています。これは、ハイヌウェレ型神話の影響を受けているとも考えられています。また、瓜子姫が機織りの際に歌う歌や、天邪[[鬼]]と瓜子姫のやりとりをリズミカルな声で伝える形式も、この民話の特徴です。

都市伝説

現代では、夜中の12時に鏡の前で「うりこひめ」と唱えると、天邪[[鬼]]が現れて悪さをするという都市伝説も存在します。天邪[[鬼]]の姿は見えないものの、「うりこひめ」と口にした人に鏡を使って悪さをすると伝えられています。

関連作品

「うりこひめとあまのじゃく」を題材にした作品も数多く存在します。

小説:
高橋克彦著のホラー小説『眠らない少女』
櫛木理宇著のホラー小説『ホーンテッド・キャンパス　この子のななつのお祝いに』
ゲーム:
『侍道3 Plus』では、刀や槍の部品を扱う少女「うりこ（売り子）」として登場し、天邪[[鬼]]に連れ去られ殺されてしまう。
その他:
松谷みよ子の『モモちゃんとアカネちゃんの本』では、劇中劇として登場。
諸星大二郎の漫画『妖怪ハンター』シリーズの一編『幻の木』とその続編『川上より来たりて』
『月光条例』
岩本隆雄の『イーシャの舟』
『鬼灯の冷徹』では、瓜子姫が死んでしまう結末が採用され、死後の瓜子姫が焦熱地獄で獄卒として働いている。
自閉症の症状の一つである反響言語とアマノジャクの様子が関連づけられている。
* 林光作曲、若林一郎台本によるオペラ『あまんじゃくとうりこひめ』

まとめ

「うりこひめとあまのじゃく」は、日本各地で語り継がれる民話であり、その多様な展開と教訓は、現代においても多くの人々に影響を与え続けています。また、関連作品の多さからも、この物語が持つ魅力の深さが伺えます。

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