うる星やつら完結篇とは？意味をやさしく解説

うる星やつら完結篇

『うる星やつら完結篇』は、1988年2月6日に東宝系で公開された日本の長編アニメーション映画である。この作品は、テレビアニメ『うる星やつら』（1981年版）の劇場版シリーズの第5作目であり、原作である高橋留美子による漫画の最終章「ボーイミーツガール」を基に制作された。これにより、シリーズとして唯一、原作のエピソードをそのままアニメ化した作品となった。

概要

本作は、制作を担当した株式会社マジックバスがテレビアニメの製作に関与していたこともあり、多くのスタッフが1987年に公開されたOVA『うる星やつら夢の仕掛人、因幡くん登場！ラムの未来はどうなるっちゃ!?』から引き続き本作品に参加した。制作にあたっては、ファンの署名活動がきっかけで劇場公開が決定し、プロデューサーの落合茂一が東宝との協議の中で「完結編」というタイトルを入れることを条件に制作が開始された。この作品の初期タイトルは『うる星やつら5 ボーイ・ミーツ・ガール』だった。

同じ日に上映された作品には、今井雅之監督による『めぞん一刻完結篇』があり、こちらも高橋留美子が原作のアニメである。

原作「ボーイミーツガール」

原作漫画『うる星やつら』の最終章「ボーイミーツガール」は、1986年第48号から1987年第8号まで、週刊少年サンデー（小学館）に連載された全11話で構成される物語である。このストーリーでは、諸星あたるとラムの壮大な「鬼ごっこ」が繰り広げられる。1981年に放送されたテレビアニメは1986年3月に終了したが、原作の連載は続いていたため、アニメ放送終了後に原作が完結した。そのため、本作はそれまでのアニメ作品の中でも原作に最も忠実な映像化となっている。ただし、登場人物の設定や背景の一部は1981年版アニメに基づいている。

制作の経緯

監督を務めた出崎哲は、公式パンフレットに記載されたコメントで、本作制作に際しての苦労を語っている。また、企画を担当した落合茂一によるコメントでも、作品が持つ意味合いやその制作背景について触れている。

作品の評価

映画評論家の友成純一は、公式パンフレットに寄稿したレビューで本作の魅力について言及。「ラムとあたるの痴話喧嘩に焦点を当てることで、物語に深みを与えつつ、『オンリー・ユー』に匹敵する感動をもたらしている」との感想が寄せられている。

あらすじ

物語は、ラムが黒い服を着た老人に「お前を嫁にする」と告げられる不吉な悪夢から始まる。サクラの占いでは、ラムが闇に捕われる未来が予言される。一方、ラムの故郷では長い間コールドスリープにされていた祖父の秘密が明らかになる。さらに、彼女の未来に大きな影響を与える存在として、ルパという青年が登場する。彼はラムの能力を封じ、彼女を闇の世界へ連れ去る。

諸星あたるは、ラムを救うため友人たちと共に闇の世界に向かい、ルパとの挙式を阻止するための奮闘が始まる。ラムとあたるの間には誤解が生じ、最終的には彼女が闇の世界に残ることに。あたるは地球に戻るが、逆にラムが持ち帰ったキノコが大繁殖し、地球を飲み込もうとする事態が発生する。

この危機を解決するため、ラムはあたるに再び「鬼ごっこ」を挑むが、あたるは素直になれず、二人の関係は波乱の展開を見せる。やがて、すべての記憶を失うという恐ろしい運命が迫り、最終的には二人が互いの愛情を再確認することで、物語は感動的なクライマックスを迎える。

この作品は、1981年から続く「鬼ごっこ」の物語にすべての区切りをつけるものであり、ファンにとって特別な意味を持つフィナーレとなっている。

登場人物・キャスト

スタッフ

- 原作 - 高橋留美子
- 監督 - 出崎哲
- 脚本 - 金春智子
- 音楽 - 大森俊之

主題歌

主題歌は麻田華子による「好き♡嫌い」で、感情豊かな歌詞とメロディが印象的である。

まとめ

本作『うる星やつら完結篇』は、時を経ても多くのファンに愛され続ける日本のアニメーション作品の一つである。その独自のストーリー展開やキャラクターの魅力が、多くの人々の心をつかんで離さない理由となっている。

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