えんしゅう (多用途支援艦)

えんしゅう（JS Enshu）

えんしゅう（ローマ字：JS Enshu）は、海上自衛隊が保有する多用途支援艦であり、ひうち型多用途支援艦の5番艦かつ最終艦です。この艦は、他国の海軍が保有する航洋曳船、すなわちオーシャンタグに類似した役割を持っています。この記事では、えんしゅうの艦歴に焦点を当てつつ、その基本的な特徴について紹介します。なお、艦の性能や装備について詳しく知りたい方は、ひうち型多用途支援艦に関する資料をご覧ください。

概要

この艦級に名付けられた名称は、遠州灘に由来しています。艦船の艦橋上両舷には12.7mm機関銃を搭載するための銃架が設置されており、これにより必要に応じて防衛体制を整えられます。この火器は常時装備はされておらず、運用の必要が生じた際に取り付けられます。

ひうち型多用途支援艦は前期建造艦と後期建造艦で異なる装備を持っていますが、えんしゅうは後期建造艦であるため、外洋での運用性および艦内居住性を向上させるための減揺タンクや、潜水艦訓練用の水中通話機が装備されていることが特徴的です。

艦歴

えんしゅうは平成17年度計画980トン型多用途支援艦の4305号艦として、2006年12月にユニバーサル造船京浜事業所で起工されました。2007年8月には進水し、翌2008年2月20日に就役して横須賀地方隊に配属されました。

艦歴の中で特筆すべき出来事は、2009年6月に旧「たちかぜ」を曳航した点です。この艦は除籍され、その後標的艦として処分される予定でした。さらに、2011年3月11日の東日本大震災時には災害派遣に従事し、その後の復興活動に貢献しました。

2017年には地方隊の部隊再編に伴い、横須賀地方隊直轄から横須賀警備隊に編成が変更されました。同年6月には、伊豆半島沖でアメリカ海軍第7艦隊所属の駆逐艦「フィッツジェラルド」が衝突事故を起こし、その乗員の捜索活動に参加。この巡り合わせで、アメリカ軍の高官から海上自衛隊への感謝の意が表明されました。

2018年には、日本が主催する海上阻止訓練「パシフィック・シールド18」にも参加し、海上での防衛能力を強化しました。最近では、2025年に台風22号の影響を受けた地域への給水支援に従事し、東京都知事からの要請に応じて人員や物資の輸送作業を行っています。

ギャラリー

（画像や関連写真などがあれば、ここに掲載することができます。）

参考文献

• - 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）

関連項目

• - 海上自衛隊艦艇一覧

外部リンク

• - 横須賀地方隊HP 部隊紹介
• - J-NAVY World 「多用途支援艦 ひうち型」

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