おかしなおかしな星の国

おかしなおかしな星の国

『おかしなおかしな星の国』は、1968年に制作された短編アニメーションで、全編カラーの約20分の作品です。このアニメは、東映動画が貯蓄増強中央委員会との共同制作で作り上げたPRアニメで、テーマは「浪費は無駄、節約しよう」というものです。宇宙を舞台にしたSF的要素を取り入れながら、重要なメッセージを視聴者に伝える工夫がされています。

概要

本作は、過去に公開された『人のくらしの百万年 マニ・マニ・マーチ』に続く作品となっており、劇場での公開はされませんでしたが、フィルムが編集され全国各地の公共施設で上映されています。これにより、多くの人々が楽しみながら節約について考える機会となっています。

物語の舞台は21世紀。宇宙旅行が可能になり、修学旅行専用の宇宙船「日本号」が登場します。乗員はリーダーの次郎、サブリーダーの夕子、三郎、チョン子の4名と、話すことのできるサイボーグ犬のグッドです。彼らは宇宙を旅している最中に、突然現れた未確認飛行物体によって見知らぬ星「ゼロス星」へと連れ去られます。

ストーリーの展開

ゼロス星は、進んだ科学技術を誇り、一見すると理想的な文明を持っているように見えます。そこで現れたのは、ゼロ・ゼロ・コンマ・ゼロ大統領で、次郎たちを歓迎します。しかし、歓迎会で明かされたのは、ここが物を生産した後にすぐに破壊する「浪費」を奨励する星であることでした。次第に多くの料理が運ばれ、それを見た三郎とチョン子は喜びますが、次郎と夕子、グッドはその様子に嫌気が差してしまいます。

星の住人たちは、無駄に食べ物を捨てる様子を見せて、「勿体無い」と一言に大激怒し、次郎たちに死刑宣告を下します。一行は急いで逃げ出し、ゼロス星人たちによる追跡が始まります。その中で、一行は巨大な資源量を示すコンピューターメーターを見つけ、その針が「0」に近づいていることに気づきます。ゼロス星が自爆する危機を知った一行は、日本号に急ぎ、無事脱出できるかどうかの展開が緊張感を高めます。

結末と教訓

最終的に、一行が日本号に乗り込んだ瞬間、コンピューターの針は「0」を指し、ゼロス星は自爆し、宇宙の塵となります。逃げ延びた次郎たちは、この経験を通じて「節約しよう」と誓い、無駄を無くす意義をしっかりと心に刻みます。

キャストとスタッフ

本作の声優陣には熊倉一雄や曽我町子などが名を連ね、魅力的なキャラクターたちを演じています。製作は東映商事で、プロデューサーは猿丸孟氏、脚本は辻真先氏が担当しました。作画監督は木村圭市郎氏と、美術監督は福本智雄氏が務めています。音楽を担当した冨田勲氏のメロディも、作品の雰囲気に大きく寄与しています。

このアニメは、楽しいだけでなく、視聴者にとって大切なメッセージを思い起こさせる貴重な作品と言えるでしょう。

もう一度検索