おからの華

『おからの華』：豆腐に懸けた女性の半生を描いた感動の物語

『おからの華』は、1974年10月7日から1975年12月29日まで、日本テレビ系列で放送された連続テレビドラマです。よみうりテレビ制作で、全65話という長編作品となり、毎週月曜日のゴールデンタイムに放送されました。放送期間は当初予定されていた26話から大幅に延長され、1年3ヶ月にも及ぶ人気ドラマとなりました。

あらすじ：

ヒロインの卯川うさは、幼い頃に父を亡くし、母と二人で高知県で暮らしていました。しかし、母の不倫が発覚し、ショックを受けたうさは家出同然で大阪へ向かいます。大阪では、様々な職を転々とする中で、最終的に井筒豆腐店に勤め始めることになります。

一方、うさの幼馴染みである甚太も、うさの後を追って大阪へやってきます。うさと甚太は、やがて「モスリン豆腐」という名の豆腐屋を始めることになり、太平洋戦争終戦頃まで、二人で豆腐作りに励む姿が描かれています。

見どころ：

このドラマは、明治時代から続く豆腐屋を舞台に、豆腐作りに人生を捧げた女性の半生を描いています。単なる豆腐作りの物語にとどまらず、時代の変化や人々の生活、そして女性の生き方といった様々なテーマが丁寧に描かれている点も魅力の一つです。

また、物語を彩る登場人物も個性的で魅力的です。豆腐屋の主人やその家族、うさと甚太を取り巻く人々など、それぞれの事情や葛藤がリアルに描かれ、視聴者の共感を呼びます。

特に、主人公のうさが、困難な状況の中でも諦めずに豆腐作りを続ける姿は、多くの視聴者に感動を与えたことでしょう。時代劇のような重厚な雰囲気と、現代劇のような軽快なテンポが上手く融合し、飽きさせない展開となっています。

キャスト：

豪華なキャスト陣も、このドラマの魅力を高めています。主人公の卯川うさを演じたのは中村玉緒。彼女の繊細かつ力強い演技が、うさの複雑な心情を見事に表現しています。そして、うさの幼馴染みである甚太を演じたのは左とん平。彼と中村玉緒の絶妙なコンビネーションも、見どころの一つです。

その他にも、藤岡琢也、本郷功次郎、江夏夕子、沖雅也など、ベテランから若手まで幅広い俳優陣が出演し、物語に深みを与えています。

スタッフ：

原作・脚本は花登筺が担当。花登筺は、この作品以降も同枠の連続ドラマに携わり、数々の名作を生み出しました。プロデューサーは大貫伊佐雄、香坂信之、志波英樹らベテランスタッフ陣が名を連ねています。演出は荻野慶人、音楽は加納光紀が担当しました。

まとめ：

『おからの華』は、豆腐作りを通して女性の生き様を描いた感動的なドラマです。豪華なキャスト、練り込まれた脚本、そして時代と社会を背景とした物語は、多くの視聴者の心を捉え、長く記憶に残る作品となりました。もし機会があれば、ぜひこの名作に触れてみてください。

補足情報：

ミヤギテレビと広島テレビは、クロスネット解消後の1975年10月から3ヶ月間のみ同時ネットしていました。
全65話という長さからも、当時の視聴者からの高い人気が伺えます。

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