おとぎマンガカレンダー

『おとぎマンガカレンダー』：日本のテレビアニメ史における先駆的作品

『おとぎマンガカレンダー』は、1961年から1964年にかけて、フジテレビとTBSで放送された日本の白黒アニメーション作品です。3分～5分程度の短いエピソードで構成され、歴史上の出来事をユニークなキャラクターたちを通じて紹介するという斬新なスタイルが特徴でした。

独自のスタイルと歴史的背景

本作品は、単なるアニメーション作品にとどまらず、歴史教育の一端を担う役割も担っていました。各エピソードでは、歴史的な出来事を分かりやすく、そして興味深く解説。アニメーションだけでなく、写真や映画の映像も効果的に使用することで、視聴者の理解を深める工夫が凝らされていました。特に、毎日新聞で連載されていた横山隆一氏の『フクちゃん』と関連する資料が、作品の制作に活用されていた点が興味深いと言えるでしょう。

当時の日本のテレビアニメーションは黎明期にあり、技術的にも、表現方法の面でも、現在とは大きく異なる点がありました。そんな時代において、『おとぎマンガカレンダー』は、シリーズで放送されたテレビアニメーションの先駆けとして、大きな意義を持っています。ただし、厳密には「漫画ニュース（漫画ショック）」が先行しており、シリーズ放映されたテレビアニメとしては日本初という表現は、必ずしも正確ではありません。カラー放送アニメの初作品は『もぐらのアバンチュール』、30分番組としては『鉄腕アトム』が有名です。

放送期間とスポンサー

『おとぎマンガカレンダー』は、大きく分けて2つのシーズンに分けられています。

最初のシーズンは、『インスタントヒストリー』として1961年5月1日から1962年2月24日までフジテレビで放送されました。関東ローカルで、3分間のエピソードが312回に渡り放送され、明治製菓（現・明治）の一社提供でした。

続くシーズンは、タイトルを『おとぎマンガカレンダー』として、1962年6月25日から1964年7月4日までTBSで放送されました。エピソード数は312回と前シーズンと同様でしたが、放送時間は5分に延長されました。スポンサーはキリンビール（現・キリンホールディングス）で、キリンものしりシリーズの第1作目という位置づけでした。この作品のみ関東ローカルでの放送となり、次の作品『ものしり大学 明日のカレンダー』からは毎日放送（当時NETテレビ系列）に移行しました。TBSでの後継番組は、『お天気ママさん』でした。

再放送と番組への言及

近年、いくつかの番組で『おとぎマンガカレンダー』の一部エピソードが再放送されています。2007年にはフジテレビ721の『昭和アニメ伝説 〜テレビアニメの夜明け・エイケン〜』で、2008年にはアニマックスの『テレビアニメ45年史 なんでアニメは面白い!?』で、そして2009年にはテレビ朝日の『シルシルミシル』でそれぞれ一部エピソードが紹介されました。これらの再放送によって、現代の視聴者にも、本作品の魅力が再認識される機会が提供されています。

制作スタッフ

監督は横山隆一氏。その他、鈴木伸一氏、マツヤマミチヒロ氏、秦泉寺博氏、甲藤征史氏、滝口明治氏、斉藤博氏、壬生理氏らが演出、デザイン、作画を担当。美術はサイトウヒロシ氏が担当し、制作会社はおとぎプロでした。横山隆一氏の監督をはじめとするスタッフの尽力によって、この歴史的なアニメーション作品が誕生したと言えるでしょう。

まとめ

『おとぎマンガカレンダー』は、日本のテレビアニメーション史において重要な位置を占める作品です。技術的な制約や表現方法の限界の中で、歴史教育とエンターテイメントを融合させた試みは、後世のアニメーション制作にも多大な影響を与えたと言えるでしょう。現在では、その貴重な歴史的価値が再評価され、多くのアニメファンに支持されています。

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