キリンものしりシリーズ

キリンものしりシリーズの概要

『キリンものしりシリーズ』は、1962年から1984年までの22年半にわたって放送されたアニメーションのミニ番組です。全5928回という長い放送期間を誇り、多くの子供やファミリーに親しまれました。制作は毎日放送（初回のみTBS）が手掛けており、初代法人は麒麟麦酒、現在のキリンホールディングスがスポンサーを務めていました。

提供内容と放送形態

本シリーズは、夕方に放送されており、子供向けの内容となっていました。そのため、スポンサードクレジットにはキリンビールではなく、キリンレモンやキリンオレンジなどのソフトドリンクブランドが使用されました。実際のCMも、現在のキリンビバレッジが販売している清涼飲料水が中心でした。制作の初期段階では、横山隆一が主宰するおとぎプロが参加し、その後はオフィス・ユニが制作を担当しました。

放送内容の特徴

番組のオープニングでは、冷蔵庫に詰め込まれたキリンレモンの瓶が映し出され、そのラベルの上部に「提供」の表示、下部には「キリンビール株式会社」と記載されていました。エンディングでは、キリンレモンがグラスに注がれ、その炭酸の泡が立つ音をBGMに「提供 キリンレモン キリンビール株式会社」と表示されます。提供アナウンスメントは女性声優によって行われ、視聴者に親しみやすさを与えました。

地域ごとの放送の違い

放送地域によっては、本シリーズが異なる局で流通していました。たとえば、中京広域圏や福岡県では、NET系列の一部として放送されていた時代がありましたが、地元のTBS系列局で放送が行われていました。広島県では、キリンビールの広島工場があったにもかかわらず、地元のテレビ局では放送されなかったものの、後に他の局で配信されることがあったのです。また、香川県や新潟県でも、地元の系列局で放送が行われました。地域によって、放送形態やスポンサーが変わることが多かったことも、このシリーズの特徴の一つです。

作品リスト

このシリーズは、教育的な要素を含んだ非常に豊かな内容で構成されていました。各作品は、放送日やそれに合わせた過去の出来事や著名な偉人についての情報を提供していました。代表的な作品には以下が含まれます。

1. おとぎマンガカレンダー (1962年6月25日 - 1964年6月25日、全312回)
2. ものしり大学 明日のカレンダー (1966年7月1日 - 1970年8月2日、全1274回)
3. キリンものしり大学 マンガ人物史 (1970年8月3日 - 1971年9月30日、全366回)
4. 世界ものしり旅行 (1971年10月1日 - 1974年12月31日、全1006回)
5. キリンのものしり館 (1975年1月1日 - 1979年12月31日、全1565回)
6. キリンあしたのカレンダー (1980年1月1日 - 1984年12月31日、全1498回)

それぞれの作品では、様々な学びや楽しみを提供しています。特に後半の作品はニュース番組形式へのリニューアルが図られるなど、時代の変化に応じた内容になっていました。

音声の出演者

シリーズには多くの声優が参加しており、それぞれのキャラクターを印象深く演じました。久松保夫や近石真介、栗葉子などの声優がその名を連ね、特にキャッシーによって演じられる猫の役が視聴者に愛されました。東北放送など地域によっては、特定の作品のみが放送されることもありました。これにより、各地でのシリーズの理解や受け入れ方にも違いが見られました。

終わりに

『キリンものしりシリーズ』は、その長きにわたる放送と多様な作品により、子供たちに楽しさと学びを与え続けてきた素晴らしい番組でした。今でも多くの人々の記憶に残るこのシリーズは、アニメーションの可能性を広げ、教育的な価値を提供した貴重な存在です。

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