おとめボタン

おとめボタン：和装とイリュージョンが織りなす、名古屋発アイドルグループの物語

2016年11月、名古屋を拠点に活動を開始したガールズグループ「おとめボタン」。その歴史は、2つの前身グループの合体から始まりました。フォーチュンエンターテイメント所属の「おとめボタン」は、同事務所の姉妹グループ「BELLY BUTTON」と「あいち☆乙女組」が一つとなり、7名で華々しくデビューを飾りました。

グループの活動コンセプトは「パフォーマンスエンタメユニット」。和装を身に纏い、歌とダンスだけでなく、演技やイリュージョンといった多彩なパフォーマンスを展開。さらに、これらに古典芸能の要素を取り入れるなど、独創的なエンターテイメント性を追求していました。グループのテーマフラワーは牡丹。プロデュースはフォーチュンエンターテイメント社長の谷口誠治氏が、音楽プロデュースは同社グループの音楽制作を担ってきたYUMIKO氏が中心となって手がけました。

「おとめボタン」は、同じ事務所所属の男性アイドルグループBOYS AND MENの妹分的な存在として活動。BOYS AND MENやその関連グループ同様、「アイドル」とは名乗らない独自のスタンスを貫いていました。2017年から2018年にかけては、「日本ご当地アイドル活性協会が選ぶアイドルセレクト10」に複数回選出され、その実力と人気を証明しました。

しかし、2017年から2019年にかけてメンバーの脱退が相次ぎ、2019年6月には残りの4名が新ユニット「小野小町」を結成。これにより「おとめボタン」は事実上の活動休止状態に陥りました。その後、2021年に新たなメンバー2名を加え、再始動を果たしたものの、2022年4月30日、惜しまれつつも解散という決断に至りました。

「おとめボタン」の前身グループである「BELLY BUTTON」は、中部テレコミュニケーションなどが開催したオーディションから生まれた4人組ユニット。「日本のへそ＝中部地方を盛り上げたい」という願いを込めて名付けられました。2015年にCDデビューを果たし、2名のメンバーがおとめボタンに合流しました。「あいち☆乙女組」は6人組で活動し、2015年5月にCDデビュー。後の「おとめボタン」の和装やイリュージョンを取り入れたパフォーマンススタイルは、このグループの後期活動にルーツを持っています。5名のメンバーがおとめボタンに参加しました。

さらに遡ると、「おとめボタン」メンバーの何人かは、2014年に結成された「NDPガールズ」という女性イリュージョンアイドルユニットにも所属していました。「NDPガールズ」は「BOYS AND MENのガールズグループ版」という公募で結成されたユニットですが、公式サイトなどは持たず、活動状況も不明瞭な部分が多く残されています。

「おとめボタン」は、数々のシングルやDVD作品をリリース。東海地方を中心にテレビ番組やラジオ番組に多数出演するなど、幅広く活躍しました。舞台や映画にも出演するなど、多方面でその才能を発揮しました。また、名古屋市消防局の広報アンバサダーを務めるなど、地域社会への貢献にも積極的に取り組んでいました。

短命に終わったグループではありましたが、「おとめボタン」は、和装とイリュージョンを融合させた独特のパフォーマンススタイルと、前身グループからの歴史、そしてメンバーの入れ替わりを通して、濃密な活動を展開しました。その軌跡は、名古屋のアイドルシーンに大きな足跡を残すものとなりました。

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