おはよう天気です

『おはよう天気です』の詳細解説

『おはよう天気です』は、1994年10月3日から1995年9月29日まで、朝日放送（現在の朝日放送テレビ）で毎週月曜日から金曜日の午前5時45分から7時まで放送されていた朝の情報番組です。

番組概要

番組のタイトル通り、天気予報をメインコンテンツとしていましたが、それだけでなく、最新のニュース、トレンド情報、さらにはゲーム情報など、幅広いジャンルの情報を紹介していました。視聴者にとって、一日の始まりに必要な情報を網羅的に提供する番組でした。

阪神・淡路大震災発生時の状況

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の際、番組は生放送中でした。地震発生の瞬間、午前5時47分ちょうど（震源地に近い場所では5時46分）、司会の鳥木千鶴アナウンサーが挨拶の途中で激しい揺れに襲われました。

スタジオの照明が激しく揺れる中、鳥木アナウンサーは「カメラの前の皆さん、安全な場所へ避難してください」と呼びかけました。このメッセージを2回繰り返した後、スタジオのカメラが転倒し、天井が映ったところで放送は一時中断しました。鳥木アナウンサーは、後にこの発言について「スタジオのスタッフに向けてメッセージを発したつもりだった」と語っています。

当時、在阪の民放テレビ局の中で唯一、朝日放送の早朝番組が生放送されていたため、震災発生の瞬間は生放送で捉えられました。この映像は連日、全国ネットの報道特別番組で放送され、震災の甚大さを伝える重要な記録となりました。朝日放送テレビ自身も、1996年に震災1周年記念特別番組を制作し、この映像を再度放送しています。

この番組は本来、免震構造を持つ大阪タワーのスカイスタジオから生放送されていましたが、地震発生時はエレベーターの保守点検期間中だったため、本社（ABCセンター）のAスタジオからの放送でした。そのため、地上102mのスタジオで地震に遭遇するという最悪の事態は回避されました。

地震発生後、番組内容は全面的に変更され、東京からの全国ニュースを除き、午前7時まで地震に関する報道が続きました。しかし、地震発生直後は情報が錯綜しており、震源地や各地の震度を伝えるのに時間を要しました。当初は「東海地方が中心の地震」という誤報も流れましたが、その後、「淡路島が震源」という正確な情報が伝えられました。

震災発生から25年後の2020年1月、番組内で地震が発生した瞬間の映像がYouTubeチャンネル「ANNnewsCH」で公開されました。また、この日の放送冒頭部分は「阪神淡路大震災 激震の記録 1995 取材映像アーカイブ」でも公開されています。

出演者

番組には以下の出演者がいました。

正木明
鳥木千鶴（当時朝日放送アナウンサー）
塩田えみ
岡田裕生
松岡由貴
柏原一風
高尾元通

主なコーナー

番組には以下のようなコーナーがありました。

おは天始発便（ニュース、スポーツ、天気、占い）
日の出タイムス（特集）
とれとれ通信（月・火）
ANNニュースフレッシュ（テレビ朝日からの同時ネット）
塩ちゃんのそやね（グッズ情報など）
サッカー情報「J」(金)
ピコピコ通信（ゲーム情報）
おは天最新版
おでかけ天気（視聴者のリクエストによる天気情報）

その他

声優として活躍している松岡由貴さんは、この番組のアシスタントを担当していました。震災報道で頻繁に流れた「本番中に地震が発生し、避難を呼びかける女性」の映像に映っていた一人です。

また、この番組が阪神・淡路大震災に遭遇したことがきっかけとなり、2008年に完成した朝日放送の新社屋には免震構造が導入されました。これは、過去の教訓を活かし、災害に強い放送局を目指すという強い意志の表れです。

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