鳥木千鶴

鳥木千鶴（とりき ちづる）さんは、1967年4月24日生まれ、石川県七尾市出身の元朝日放送（ABC）アナウンサーであり、現在は新家工業の社外取締役を務めています。身長170cm。津田塾大学学芸学部国際関係学科を卒業後、1990年にABCに入社しました。彼女は、同局において約20年ぶりに社員として採用された女性アナウンサーでした。

同期入社のアナウンサーには、保坂和拓さんと上田慶行さんがいます。アナウンサーとして活躍する中で、鳥木さんの名前が広く知られるようになったきっかけの一つに、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災時の出来事があります。当時、鳥木さんは生放送番組『おはよう天気です』に出演中でしたが、番組冒頭で激しい揺れに襲われました。その際、放送が中断せざるを得ない状況下で、彼女はとっさに「テレビの前の皆さん、安全な場所へ避難して下さい」と呼びかけました。この時の映像は、ABCやANN系列の震災・防災関連番組で、今もなお繰り返し放送されています。この冷静で的確な判断は、多くの人々に感銘を与えました。

その後、鳥木さんはアナウンサーとしての活動を続ける傍ら、大阪大学大学院人間科学研究科で修士号を取得しました。ラジオ番組で共演したタージンさんからは、「とりP」という愛称で親しまれていました。2000年代半ばには産休・育休に入りましたが、2009年4月にアナウンサーとして職場復帰を果たしました。同年10月からは、ABCラジオのナイターオフ番組『たぶん晴れます!?清水です』で、気象予報士の清水とおるさんのパートナーとしてラジオパーソナリティに初挑戦しました。

近年は、育児のために短時間勤務を認められており、番組出演はラジオ版『ABCニュース』やナレーションに限定されています。しかし、その一方で、管理職として新人や若手アナウンサーの教育係も務めていました。彼女のアナウンス技術の高さは、ラジオ番組『桑原征平粋も甘いも』で、大先輩アナウンサーの桑原征平さんからも敬意を払われ、紹介されるほどです。桑原さんは、鳥木さんが『ABCニュース』を担当する際に、彼女の技術を高く評価していました。

2013年4月からは、『ABCニュース』に加えて、『新婚さんいらっしゃい!』の同時ネット局向け解説放送を担当していましたが、同年10月にコンプライアンス局へ異動しました。その後、2015年6月にはビジネス戦略局コンテンツ事業部（課長）に配属されました。2024年5月にABCを退職し、2024年6月から新家工業の社外取締役に就任しました。

アナウンサー時代には、テレビ番組では『おはよう朝日です』や『おはよう天気です』、『Oh!天気』、『ABC NEWS』などに出演し、ラジオ番組では『ABCラジオパラダイス』や『風神雷神タージンです』、『タージンのこの指とまれ』、『たぶん晴れます!?清水です』、『米朝よもやま噺』、『ABCニュース』などに出演しました。特に『ABC朝日ニュース』時代には、ニュースデスクとして番組に携わっていました。鳥木千鶴さんは、アナウンサーとしての確かな実力と、常に冷静な判断力で、多くの人々に信頼され、尊敬される存在です。また、大学院での研究や管理職としての経験も持ち合わせており、多才な人物であると言えるでしょう。

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