お登勢 (小説)

『お登勢』の概要

『お登勢』は、船山馨によるオリジナルの長編小説であり、その物語は大きく二つの時期にわたって描かれています。初編と続編を合わせると、作品は1,700枚に及ぶ大作です。この小説は、特に庚午事変と、その際に巻き込まれた少女・お登勢の成長を主題としています。物語は1968年1月から1969年3月まで毎日新聞の日曜版にて連載され、続編は1972年から1973年にかけて北海道新聞の日曜版で連載されています。

あらすじ

物語は、淡路島に住む農家の娘・お登勢が16歳になり、洲本の加納家に奉公するところから始まります。彼女は船で出会った青年・津田貢に心を奪われますが、彼は勤王の志士であり、同じく加納家にいる娘・志津の恋人でもあります。この複雑な人間関係が物語の中心にあり、お登勢は様々な試練を乗り越え、成長していくことになります。

刊行情報

この小説は、1969年に毎日新聞社から刊行され、その後もさまざまな出版社によって改版や続編が発表されてきました。例えば、1970年には角川文庫から、1973年には続編が再び毎日新聞社から出版され、その後も船山馨小説全集の形でまとめられ、広く読まれています。

テレビドラマ

『お登勢』は、テレビドラマとしても数回制作されています。TBSでは1971年に「ポーラテレビ小説」として放送され、キャストには音無美紀子や原田大二郎などが名を連ね、視聴者に深い印象を残しました。また、2001年にはNHKによって新たにドラマ化され、沢口靖子や葛山信吾が出演しました。この企画では、淡路島や鳴門市付近での撮影が行われ、物語の舞台を忠実に再現しました。

舞台

舞台としても『お登勢』は再現されています。2004年には劇団前進座によって初演され、再演も行われるなど、多くの観客に支持されました。特に、テレビドラマと同じ役を演じた俳優たちが参加したことで、作品には一層の親しみが寄せられました。また、2005年には東宝による別の舞台も上演され、多彩なキャストによって新たな魅力を発見することができました。

今回の『お登勢』は、ただの物語であるだけでなく、時代背景とともに女性の成長を描くことで、視聴者や読者に深い感動を与える作品として長い間愛され続けています。

もう一度検索