お笑いヤマト魂

お笑いヤマト魂

番組概要

『お笑いヤマト魂』（おわらいヤマトだましい）は、1968年の年初めから春先にかけて、フジテレビ系列で毎週金曜日の昼下がり、12時15分から12時45分までの30分間にわたり放送されていた演芸バラエティ番組です。

この番組の最大の特色は、当時テレビ、特にブラウン管を通して圧倒的なパフォーマンスで観客を魅了していたお笑いコンビ、コント55号が初めてメインの進行役、すなわち司会を任された点にありました。彼らはそれまでにも多くの番組に出演し、その斬新で勢いのあるコント芸で時代の寵児となっていましたが、番組全体の舵取りを担うのはこの『お笑いヤマト魂』が初めてだったのです。

番組制作にあたっては、彼らの独創的で予測不能なコメディセンスや、舞台で培われた瞬発力溢れるパフォーマンスを、いかにテレビの枠組みの中で生かすかという点に主眼が置かれていました。まさに、コント55号という希代のコメディアンたちの「魂」をそのままブラウン管に焼き付けようとする試みだったと言えるでしょう。

放送期間と終了の背景

しかしながら、『お笑いヤマト魂』の放送期間は非常に短いものでした。具体的には、1968年1月5日に始まり、わずか3ヶ月足らずで、同年3月29日には最終回を迎えることとなります。

この短命に終わった背景には、当時のフジテレビにおける番組編成の大きな変更がありました。特に、平日午後の時間帯に新しい大型の帯番組『お昼のゴールデンショー』がスタートすることが決定した影響が大きかったと言えます。この新帯番組の開始に伴い、それまで個別に放送されていた複数の番組が整理・統合されることになり、『お笑いヤマト魂』もその対象となりました。

同時期には、毎週12時ちょうどから放送されていた討論バラエティ『いじわる問答 「男と女」』や、他の曜日や時間帯に放送されていた様々な番組も、一斉に終了することが決まっています。まさに、テレビ局全体の大きな模様替えの中で、惜しまれつつも歴史に幕を閉じることになったのです。

その後のコント55号

『お笑いヤマト魂』は短期間で終了しましたが、司会を務めたコント55号の勢いは止まることを知りませんでした。番組終了後、彼らはすぐに後継番組である『お昼のゴールデンショー』へ活動の場を移します。

『お昼のゴールデンショー』は、歌やトーク、演芸など多様な要素を盛り込んだバラエティショーであり、コント55号はここでもその才能を存分に発揮し、昼の顔として番組を盛り上げ続けました。彼らはこの後も、数々の伝説的な番組を生み出し、日本のテレビコメディ史に燦然たる足跡を残していくことになります。『お笑いヤマト魂』は、彼らにとってテレビで初めて本格的な司会を務めた番組として、短いながらも彼らのキャリアにおける重要な一歩だったと言えるでしょう。

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