かぞくのくに

映画『かぞくのくに』

『かぞくのくに』は、2012年8月4日に公開された日本映画で、在日コリアン2世であるヤン・ヨンヒ監督による作品です。この映画は、監督自身の実体験を基にしたフィクションであり、今でも北朝鮮に住む家族への思いが込められています。

ストーリーの概要

物語は、在日コリアンのソンホを中心に展開します。彼は父の影響を受け、北朝鮮の「帰国事業」に参加し、故郷から離れたまま結婚し子供をもうけました。しかし、離れ離れになった家族との再会は未だ実現していません。25年ぶりに一時帰国を果たすソンホ。彼は脳に悪性の腫瘍を抱え、その治療を受けるために日本に滞在することになります。久しぶりに家族との再会を果たし、母や妹のリエに温かく迎え入れられますが、同時に「同志ヤン」と呼ばれる監視者によって行動を制限されます。

検査の結果、ソンホの治療には3ヶ月では足りず、6ヶ月以上の入院が必要だと告げられ、手術も受けられなくなります。そこで、妹のリエがソンホの幼馴染の医者であるスニに相談しますが、突然、朝鮮から帰国命令が下されます。家族の絆や潜在的な悲劇がこのストーリーの中で描かれ、観る者に深い感動を与えます。

受賞歴

この映画は、多くの映画賞で高い評価を受けました。ヤン・ヨンヒ監督は第4回 TAMA映画賞で最優秀新進監督賞を受賞し、2013年のキネマ旬報ベストテンでは日本映画の1位に選ばれました。主演の安藤サクラもこの作品を通じて主演女優賞を受賞し、他の作品と合わせてダブル受賞を達成しました。
此外、映画は第67回毎日映画コンクールの脚本賞や第55回ブルーリボン賞で作品賞を受賞するなど、数多くの賞を受け取っています。特に、ベルリン国際[[映画祭]]ではC.I.C.A.E賞を受賞し、国際的にも評価されました。

キャスト

主要なキャストとしては、妹のリエを演じる安藤サクラ、兄のソンホを演じる井浦新、ヤン同志役のヤン・イクチュン、医者のスニを演じる京野ことみなどが参加しています。母や父といった家族の役割を果たすキャストも、物語に深みを与えています。

制作情報

この映画の監督および脚本を担当したヤン・ヨンヒは、企画・エグゼクティブプロデューサーに河村光庸を迎え、制作はスターサンズおよびスローラーナーが行いました。撮影、美術、音楽など、各分野の専門家が集結し、高品質な作品が生み出されています。

まとめ

『かぞくのくに』は、家族の絆とそれを取り巻く厳しい現実を鮮明に描き出した感動的な映画です。ヤン・ヨンヒ監督のメッセージ性の強い作品は、多くの人々に深い印象を与え、映画界においても高く評価されています。

もう一度検索