かっとびワイド

ラジオ福島（RFC）で長きにわたり親しまれた生放送のワイド番組、その名は『かっとびワイド』。1995年4月に放送を開始し、2018年9月28日まで、約23年半もの間、午後のひとときを彩り続けました。本番組は、1981年から1995年3月まで放送されていた『RFCワイド 午後1番』の後を受けてスタートし、その後2018年10月には『Radio de Show ラジオでしょう』へとリニューアルされました。

『かっとびワイド』は、その名の通り、活気に満ちた生放送を特徴とし、地域のニュース、交通情報、天気予報といった生活に役立つ情報はもちろん、リスナーからのメッセージ紹介、バラエティ豊かな日替わりコーナーなどを通して、地域住民との双方向のコミュニケーションを大切にしてきました。

番組の歴史の中で、その名称は時期や曜日によって様々なバリエーションを持っていました。例えば、番組開始初期には「気分上々！カガちゃん一座」として親しまれ、後年には「かおりとなおみのひだまりラジオ」といった独自のタイトルが各曜日に設定されていました。特に、「ほら出たカガちゃん」などのタイトルで放送されていた時期には、アニメ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のメインテーマ「元気節」の一節がジングルとして使用されており、多くのリスナーの記憶に残っています。

この長寿番組を支えたのは、個性豊かなパーソナリティたちです。番組開始当初から最終回まで、中心的な役割を担った鏡田辰也氏をはじめ、加藤満理子氏、井畑美穂子氏、深野健司氏、菅原美智子氏、紅晴美氏、普天間かおり氏、海藤尚美氏など、多くの顔ぶれが登場しました。お笑いコンビの母心（オカン、関あつし）なども出演し、曜日ごとに異なる顔ぶれと企画でリスナーを楽しませました。パーソナリティは担当曜日や時間帯が変遷することも多く、番組の歴史とともにその構成も柔軟に変化していきました。

日々の放送は、主に13時台、14時台、15時台に分かれており、それぞれの時間帯に様々なコーナーが盛り込まれていました。ニュースや天気予報といった定時情報は番組進行の軸となりつつも、「いってみっカー中継」のように地域に出向いて情報を届ける企画や、特定のパーソナリティによる冠コーナー、リスナー参加型の企画などが時間帯ごとに配置されました。過去を振り返ると、「チエちゃん日記」「普天間かおりの真南風だより（後にゆんたくさんだよりへ改題）」「花咲け演歌（紅晴美のスタジオライブ）」など、長年にわたり親しまれたコーナーや、時期によって多様な企画が生まれては終了し、新たなコーナーが始まるというサイクルを繰り返していました。これは、時代の流れやリスナーのニーズに合わせて番組が常に変化し続けていたことを物語っています。

また、この番組の歴史の中で忘れられない出来事として、2011年3月11日に東日本大震災が発生した際、番組放送中であったことが挙げられます。この時、14時台のコーナー「あなたといっしょにいいお酒」を放送している最中に地震が発生し、生放送ならではの緊迫した状況を伝えることとなりました。

約23年半の歴史に幕を下ろした『かっとびワイド』は、地域に密着したラジオ番組として、多くの人々の日常に寄り添い、様々な情報や楽しみを提供し続けてきました。その役割は後継番組へと引き継がれましたが、『かっとびワイド』が刻んだ足跡は、ラジオ福島の歴史の一部として、またリスナーの心の中に鮮やかに残っています。

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