かにかも放送

かにかも放送株式会社の歩み

かにかも放送株式会社（かにかもほうそう）は、かつて岐阜県の可児市、美濃加茂市、美濃市を中心としたエリアでFM放送を行っていたコミュニティ放送局です。愛称は「FMでんでん」で、この名称には「電波に乗せて想いを伝える」という意味が込められています。局のシンボルマークにはカタツムリのイラストが採用され、親しみやすい存在感を放っていました。

放送エリアと番組内容

かにかも放送の放送エリアは、可児市や美濃加茂市を中心に広がり、約9万世帯、28万人の住民が聴取可能でした。また、USEN440の岐阜県エリア（高山地区を除く）での配信も行われていました。特に独自のプログラムで24時間放送を行い、他の局の番組を再送信することはありませんでした。自社制作の番組としては、「モーニングすとり〜と」や「夕暮れすとり〜と」などがあり、地域向けの情報や音楽を提供していました。

経済的困難と放送休止

しかし、2008年に発生した世界金融危機の影響を受け、かにかも放送は経済的な困難に直面しました。資金難が深刻化し、2008年12月以降には番組枠が大幅に減少しました。最終的には2009年7月以降、ほとんどの放送が行われなくなり、火曜日や日曜日には1つも番組を放送しないという厳しい状況に至りました。この期間、フィラーとしてノンストップの音楽放送が行われていましたが、音楽以外のコンテンツはほとんど消失しました。

最後の生放送と閉局

2009年12月31日には「さよならFMでんでん」と題した特別番組が放送され、これが最後の生放送となりました。その後、全てのプログラムが休止され、2010年1月からはノンストップ音楽のみが流れるようになりました。同年8月頃には送信電波が停止され、10月31日には再免許申請が行われなかったため、正式に廃局が決定しました。

沿革

かにかも放送は、2004年4月21日に創立され、6月6日に開局を迎えました。2007年にはスタジオを移転し、ケーブルテレビ可児と社屋を共有しました。しかし、経済の厳しさから自社制作の番組枠を縮小し、スタッフの卒業や解雇が進みました。2009年7月には電波法違反で厳重注意を受け、その結果により番組制作が次第に減っていきました。最終的に2010年10月31日をもって放送局としての活動が完全に終了しました。

主な番組一覧

かにかも放送では様々な番組が放送されており、平日に放送された自社制作番組には、

• - モーニングすとり〜と（平日 7:00 - 10:00）
• - DAYすとり〜と（平日 11:00 - 13:00）
• - 夕暮れすとり〜と（平日 16:00 - 18:00）

など、地域のリスナーに親しまれました。また、週末に特有の番組もあったことが特徴でした。

終わりに

かにかも放送の閉局は、多くの地域住民にとって残念な出来事でしたが、地元にまつわる情報や音楽を届けた歴史は忘れられることはないでしょう。地域密着型のコミュニティーラジオとしての役目を果たしたｅＴｅチューブの存在は、今後のコミュニティ放送の在り方に考えるきっかけを提供しています。

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