かめりあ丸

かめりあ丸の概要

かめりあ丸（かめりあまる）は、1986年から2014年まで運航されていた東海汽船の貨客船です。この船は、老朽化したふりいじあ丸の代わりに就航し、東海汽船のフラッグシップとしての役割を果たしました。主に生活航路に使われていましたが、夏季の納涼船としても利用されることがありました。そのため、外部デッキが複数階にわたって開放的に設計されているのが特徴です。

航路と交通手段

かめりあ丸は、東京から伊豆大島や神津島、八丈島を結ぶ航路をサービスしていました。具体的には「東京 - 伊豆大島 - 神津島航路」および「東京 - 三宅島 - 御蔵島 - 八丈島航路」が主要な路線です。特に、東京・横浜経由の航路は一部の週末に限定されていましたが、夏のシーズンには多くの旅行者で賑わう人気の航路でした。

この船体は、過去の「すとれちあ丸」と同じ大きさでしたが、旅客定員や貨物搭載量は減少しました。その一方で、かめりあ丸は海域を問わず鮮明なテレビ放送を受信できる衛星放送テレビ受信装置を装備し、初の試みとなったことも特筆されます。また、乗客はこの船を親しみを込めて「かめ」「かめ丸」などと呼んでいました。

船内の設備と改良

船内にはさまざまな設備が整えられており、2013年には汗を流せるシャワールームが導入されました。また、上級船室が追加されたことや、混雑した2等自由席を指定席に変更したため、全等室予約制へと移行しました。これにより旅客数は減りましたが、乗客は通路やパブリックエリア、外部デッキでも過ごすことができる「席無し券」が採用され、柔軟な利用が可能でした。

退役とその後

2011年には、5,700総トン型の新造貨客船が代替船として計画され、2014年には3代目の橘丸が就航することになります。かめりあ丸は、2014年6月8日の航海を最後に約28年間の営業を終え、翌日の6月10日には竹芝桟橋から退役しました。その後は内海造船に係留され、橘丸の万が一に備えて待機しました。しかし、2014年8月にはインドネシアの船会社に売却され、船名も「ADITHYA」に変更されました。現在はスラウェシやカリマンタン島周辺で航行しています。

文化的な影響

かめりあ丸は、漫画「OPEN SESAME」の第1話やアニメ「夏色キセキ」にも登場しました。特に後者では実名で登場し、その影響力を示しています。また、2014年に発生したコンテナ船との衝突事故では、貨物船の乗組員4人を救助した功績が認められ、2015年春の褒賞で紅綬褒章が授与されました。

まとめ

かめりあ丸は、東海汽船の歴史の中で重要な役割を果たし、数多くの旅客に愛されてきました。様々な航路で運航し、数々の技術革新を導入し、文化的影響を及ぼした船の物語は、多くの人々の記憶に残ることでしょう。

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