からかさ小僧

からかさ小僧

からかさ小僧は、日本の妖怪の一種で、傘の妖怪として知られています。から傘おばけ、傘おばけ、傘化け、一本足、からかさ一本足、おばけかさなど、様々な別名で呼ばれています。

概要

一般的には、一つ目の付いた傘が一本足で飛び跳ねる姿で描かれます。傘から2本の腕が伸びていたり、目が2つあったり、長い舌を伸ばしていることもあります。狩野宴信の『百鬼夜行図巻』には、2本足で描かれている例も見られます。

室町時代の絵巻物『百鬼夜行絵巻』にも傘の妖怪が登場しますが、これはたたんだ傘を頭に載せた人型の妖怪です。一つ目・一本足の姿は江戸時代以降の絵画に見られ、お化けかるたの絵札にもよく描かれています。歌舞伎舞踊では、役者が一本足の姿に扮して踊ることもありました。安政年間に出版された絵双六『百種怪談妖物双六』にも、「鷺淵の一本足」という名で一つ目・一本足の姿が描かれています。

明治から昭和にかけては、印刷物や、お化け屋敷の出し物、漫画、アニメ、妖怪を題材とした映画などのキャラクターとして広く親しまれました。『百鬼夜行絵巻』に数多くの無生物・器物の妖怪が登場する中で、からかさ小僧は最も有名な妖怪の一つと言えるでしょう。

口頭伝承

からかさ小僧は大変有名な妖怪ですが、地域に根ざした具体的な伝承はほとんど残されていません。妖怪関連の書籍では、「絵画上でのみ存在する妖怪」として分類されたり、伝承を伴わない創作話にのみ登場する妖怪とする説もあります。また、付喪神（歳月を経た器物が変化した妖怪）の一例として紹介されることもありますが、それを裏付ける古典などの文献は確認されていません。

確認されている伝承としては、新潟県笹神村（現・阿賀野市）に伝わる「カラカサバケモン」の話や、1762年の浮世草子奇談集『咡千里新語』に収録された興福寺の伝承とされる妖怪の一つ「東花坊のからかさ」の記述などがあります。

からかさ小僧は、そのユニークな姿と愛嬌のあるイメージから、日本の妖怪文化を代表する存在として、今後も様々な形で語り継がれていくことでしょう。

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