がか座

がか座 (画架座)

がか座（がかざ、画架座）は、現代の88星座の一つで、その起源は18世紀中頃にさかのぼります。この星座はフランスの天文学者ニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって考案され、画架をモチーフにしています。日本では、北大東村以南でその全貌を観測することが可能ですが、領域が狭く、目立たない星座であるため、一般的にはあまり知られていません。

主な天体

がか座には、恒星の中でいくつか注意すべき存在があります。現在、国際天文学連合（IAU）が認定した固有名を持つ恒星は存在しませんが、以下の恒星が知られています。

• - α星：見かけの明るさが3.30等の3等星で、がか座の中で最も明るい恒星です。

• - β星：見かけの明るさが3.86等で4等星に分類され、1983年にデブリ円盤が発見された後、2008年には太陽系外惑星が望遠鏡によって撮像されました。2023年現在、2つの太陽系外惑星の存在が確認されています。

• - カプタイン星：見かけの明るさが8.85等の赤色矮星で、太陽系から約12.83光年の距離にあります。この星は全天で2番目に固有運動が大きい恒星として知られています。2014年には2つの太陽系外惑星の発見が報告されましたが、2023年現在その存在については議論が分かれています。

星団・星雲・銀河

がか座には以下のような天体も存在します。

• - NGC 1705：銀河の一つです。
• - がか座A：電波銀河で、中心から吹き出すジェットが観測され、超大質量ブラックホールの存在が考えられています。

由来と歴史

がか座は1756年にラカーユが出版した『Histoire de l'Académie royale des sciences』に登場しました。ここでは、画架とパレットをセットにした姿が掲載されており、その名称は「画架とパレット」を意味する「le Chevalet et la Palette」とされました。1763年にはラカーユの著書『Coelum australe stelliferum』の中で、ラテン語化された「Equuleus Pictorius」に名称が変更され、その後1801年には「画家の棚」を意味する「Pluteum Pictoris」と記載されました。

1844年、イギリスの天文学者ジョン・ハーシェルは「Equuleus Pictorius」を「Pictor」と短縮することを提案し、その後ベイリーが1845年にこの名前を採用したことにより、現在の呼称が定着しました。1922年の国際天文学連合（IAU）による設立総会で、88星座の一つとして正式に定められ、星座名はPictor、略称はPicとされています。

この星座は新たに作られたものであるため、伝説や神話がない点も特徴的です。

呼称と方言

明治時代より「畫架」という訳名が使われており、その後「画架」に改められました。漢字の読みは「ぐゎか」または「がか」とされていますが、1928年には「ゑかけ」という読みで紹介されたこともあります。天文分野の文献においては、いくつかの呼び名の見直しが行われてきましたが、がか座の名称に関しては一貫して「画架」が使用され続けています。

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