がしんたれ

『がしんたれ』の概要



『がしんたれ』は、著者の菊田一夫が自身の経験を基にした自伝的小説であり、関西の大阪言葉で「意気地なし」という意味を持つタイトルです。この作品は1958年から1959年にかけて週刊朝日に連載され、その後、1959年に光文社から単行として出版されました。物語は、菊田の幼少期に台湾で養子として育ち、大阪や神戸で丁稚奉公を経る過程が描かれています。

舞台化とドラマ



『がしんたれ』は1960年に芸術座で舞台化され、その後も多くの公演が行われました。特に、菊田の少年時代を演じた中山千夏の主演は注目を集めました。さらに、1963年にはフジテレビでドラマ化され、竹村和吉役には池田秀一が起用されるなど、多様なキャストによって物語が再現されました。1979年には東海テレビでも別バージョンのドラマが放送され、昼ドラ枠でのヒットを記録しました。

出版書誌



『がしんたれ』の初出は1958年5月で、連載は1959年3月まで続き、光文社からの単行発刊は1959年の4月でした。その後、1961年には角川文庫によって文庫版も出版されましたが、1990年代には絶版となり、現在では古書市場で高値で取引されることもあります。また、舞台化作品の脚である「がしんたれ 青春篇」が、演劇出版社から発行される『菊田一夫戯曲選集』の中に収録されています。

TVドラマの詳細



1963年



1963年7月から12月にかけて放送された1963年版『がしんたれ』は、フジテレビで放送されました。このドラマでは竹村和吉役を池田秀一が演じ、放送時間は水曜の22:15から22:45でした。そのキャストには、永井智雄や山茶花究などが名を連ね、演出は吉田央が担当しました。

1979年



1979年には、東海テレビでの昼ドラマとして、再度『がしんたれ』が放送されました。この版は10月から12月まで、昼の13:30から14:00にかけて放送されました。キャストには中村玉緒や田中和洋、藤岡琢也が含まれ、演出陣には浜忠臣や矢崎一雄、脚は花登筺らが手掛けました。

舞台化作品の詳細



『がしんたれ』は1960年から舞台化され、多くの観客に親しまれています。1960年に初めて公演が行われた際は、有楽町の芸術座で行われ、その後も1961年に梅田コマ劇場ほかで上演されました。1994年にも同様の形で舞台化され、出演者には有名な俳優たちが名を連ねています。菊田自身が演出と脚を手掛けた作品であり、1961年には第11回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました。

まとめ



『がしんたれ』は、著者の人生経験を通じて、様々な人々との出会いや背景を描いた作品です。舞台やドラマなど、多様な形式で人々に感動を与え続けているこの作品の影響力は、今なお色あせることがありません。

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