くにっこ

国立市のコミュニティバス「くにっこ」

東京都国立市で運行されているコミュニティバス「くにっこ」は、2003年3月8日に運行を開始しました。このバスは、市民から公募で選ばれた愛称とともに、その独特な車体デザインで親しまれています。バスの外観には、国立市のシンボルである三角屋根の帽子をかぶったキャラクター「くにっこ」が描かれています。運行は立川バス上水営業所に委託されており、市内の交通問題解決の一環として重要な役割を担っています。

バス運行の背景

国立市は面積が狭いながらも、交通機関は整っていませんでした。東西に走るJR中央線と市南部を通るJR南武線はありますが、道路が狭いため一般的な路線バスの運行が難しい地域も存在しました。そのため、市民生活に必要な交通手段が不足しており、この問題を解消するために国立市役所は2000年から検討を始めました。市民のニーズ調査をもとに、「国立市コミュニティバス協議会」が設立され、運行するバスのコンセプトや経路が議論されました。

くにっこの運行開始

最初の運行ルートは「北西中ルート」と「北ルート」の2本で、運賃は大人170円、子供90円と設定されていました。シルバーパスが利用でき、高齢者にも便利なサービスが提供されました。2003年の運行開始から1日600人以上が乗車し、特に高齢者からの評判が高かったことが特徴です。運行初日には、市民プラザで記念の出発式が行われ、無料乗車サービスも実施されました。

利用状況と運賃改定

「くにっこ」は、運行が始まって以来、一定の利用者を確保してきました。特に高齢者向けのシルバーパスを利用する人々が多く、交通弱者の外出を促進しています。しかし、当初の予想よりも国立市の補助金は少なくなりました。運賃は幾度か改定され、最新では大人180円、子供90円となり、交通系ICカードにも対応しています。

過去の路線と現在

「くにっこ」には過去に青柳・泉ルートが存在していましたが、2015年に運行を廃止し、その後「くにっこミニ」として小型バスを使用したサービスが始まりました。この新たなルートは、「あおやぎっこ」と改称され、現在も運行されています。

また、現行の「くにっこ」では北西中ルートと北ルートの2つの主要ルートがあり、日中は47分間隔で運行されています。両ルートは国立駅を起点に市内を網羅しており、地域住民に必要不可欠な交通サービスを提供しています。

車両とサービス

現在の「くにっこ」では、日野・ポンチョやトヨタ・ハイエースの車両が使われており、乗客のニーズに応じてデザインや設備も更新されています。また、専用回数券の制度も導入され、それぞれのサービスに応じた料金形態が設定されています。

このように、国立市のコミュニティバス「くにっこ」は、地域住民のニーズに応えながら、交通の便を向上させるために日々運行されています。少子高齢化が進む中で、今後もその重要性が増していくことでしょう。

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