くれないものがたり

『くれないものがたり』

『くれないものがたり』は1992年6月13日に全国で公開された日本の映画作品であり、ジャンルはホラー、サイコミステリー、そしてラブロマンスとなっています。この作品は池田敏春が監督を務め、佐野史郎が主演を担っています。上映時間は1時間30分で、視覚と感覚に訴える独特の演出によって観客を引き込む内容になっています。

映画の背景と原作

本作の原作は赤江瀑による『マルゴォの杯』の一篇である「千夜恋草」です。池田監督は、過去に小野みゆきが主演した『死霊の罠』や『人魚伝説』など多様な作品を手掛けてきたことで知られています。『くれないものがたり』では、京都の香道のなかでも特に「蘭奢待」という香が物語の中心にあり、その香に魅惑される男女の破滅的な運命が官能的かつ耽美的に描かれています。主演の佐野史郎と竹井みどりの演技は圧巻であり、脇役には寺田農をはじめとする実力派が揃っています。視覚的には、目に見えない香を金粉やスモークを用いて表現している点がこの作品のユニークな特徴です。

物語の概要

物語は、高校生の麻田法靖が札幌から京都への修学旅行中に展開します。好奇心からストリップ小屋に入った法靖は、SM風のショーと香の芳醇な香りに魅了されます。その後、古い寺に足を運ぶと、盲目の香の達人・室井春治と、彼に付き添う謎めいた和服を纏った美女・室井燿子に出会います。彼女の妖艶な動きと美しさに引き込まれた法靖は、燿子とともに夢のような官能的な日々に没頭していくことになります。

この出会いは彼の人生に大きな影響を及ぼし、次第に現実と夢の狭間で揺れ動く彼の姿が、物語の中で大胆に描かれます。

キャスト

映画のキャストは非常に豪華で、主人公の法靖を演じるのは三上祐一、燿子を演じる竹井みどり、春治を佐野史郎が演じています。そのほかにも、寺田農、栗原早記、春山巧、清水邦彦など多彩な俳優陣が脇を固めています。

スタッフと受賞歴

『くれないものがたり』のスタッフには、監督の池田敏春、脚本の竹橋民也、音楽の吉良知彦などが名を連ねています。この作品は、1992年度の日本[[映画]]プロフェッショナル大賞で、主演男優賞（佐野史郎）、ビデオオリジナル主演女優賞（竹井みどり）を受賞し、さらに総合ベスト10にも選出されるなど高い評価を得ました。

作品の評価

本作は、単なるホラー映画の枠を超え、香道や人間の欲望、愛憎の複雑さを吟味した作品となっており、観る人に深い印象を残します。作品が持つ官能と耽美の世界は、視覚に訴えるだけでなく、感情を揺さぶる力を持っております。

外部リンク

• - くれないものがたり - allcinema
• - くれないものがたり - KINENOTE

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