寺田農

寺田農: 日本の個性派俳優・声優の軌跡

寺田農（てらだ みのり）、1942年生まれの日本の俳優・声優で、多才なキャリアを持つ個性派として知られています。本名も寺田農で、最終的には株式会社CESエンタテインメントに所属していました。彼の幅広い才能や独自の演技スタイルは、多くの作品で評価されています。

生い立ち

1942年11月7日、父・寺田政明が洋画家として活動している家庭に長男として誕生。幼少期を東京都豊島区で過ごし、後に板橋区に転居。そのため、出身地については異なる説が存在します。名前の「農」は父のアイデアで後漢の詩碑から取られたもので、当時の幼少期から絵を描き始めましたが、小学校3年生に入るとサッカーや音楽に興味が移り、絵の道からは少し遠ざかります。

学生時代と転機

寺田は中高時代にサッカー部のキャプテンを務め、早稲田大学に進学。その後、文学座の研究生として入団。この頃、多くの著名作者と触れ合う中で、将来の夢を新聞記者に置いていましたが、早稲田大学の入試面接中の偶然の出来事が転機となり、俳優としての道に進みます。1961年に文学座附属演劇研究所に第一期生として入所し、初舞台を踏むことになります。

俳優・声優としてのキャリア

寺田は1965年に映画『恐山の女』でデビュー。その後、学園ドラマ『青春とはなんだ』や『これが青春だ』に出演し、若手俳優として注目を集めます。また、岡本喜八監督の映画『肉弾』で主演し、男優主演賞を受賞。以降、彼は個性派俳優として実力を発揮し、様々なジャンルの作品に出演しました。特にペンギン劇団での活躍や、実相寺昭雄監督との関係が深まり、後の作品にも影響を与えました。

声優としても1986年にスタジオジブリの映画『天空の城ラピュタ』でムスカ大佐の役を演じ、多くのファンに知られる存在となりました。この役は、彼の演技スタイルやキャラクターに大きな影響を与え、アニメ界でもさらに認知度が高まるきっかけとなりました。

晩年と死去

寺田は教育者としても貢献し、2008年に東海大学で特任教授に就任し、映画論や演劇入門を指導。彼の晩年には、2016年に『天空の城ラピュタ』のコンサートに出演したり、2021年に映画『信虎』で主演を務めるなど活躍を続けました。

2024年3月14日、81歳で肺がんによってこの世を去りました。彼の生涯にわたる多彩な活動は、映画・テレビドラマや舞台での数々の業績として、多くの人々に感動を与えました。

人物像

寺田は「偉大なるアマチュア」を自称し、役者としては様々な表情を見せることに重きを置いていました。彼は過去に「我慢、苦労、忍耐は嫌い」と述べ、自らをプロとは思わないところもありました。

私生活では1970年に結婚しましたが、2006年に離婚。その後、2011年に再婚しました。彼の人生は多くの人々に影響を与え、今もなお彼の作品は色あせることなく、視聴者に愛され続けています。寺田農の名は、これからも日本の演技界で語り継がれることでしょう。

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